サンドウィッチを持って、森でピクニック!

 東府やに来たらぜひ立ち寄りたいお店が、湯ヶ島にあるピクニックカフェ「pikiniki」。吉奈温泉から湯ヶ島温泉を通り過ぎ、国道414号線を河津方面へ10分ほど車で走ったところにある、伊豆半島天城の自然あふれるカフェだ。

 「pikiniki」とはニュージーランド・マオリ族の言葉でピクニックという意味。この店では、自家製サンドウィッチとコーヒーを購入して、店の横に設けられた「ピクニックグランド」でピクニックが楽しめる。

 オーナーの足立和己さんは、以前ファッションや広告系のカメラマンをしていたそう。ニュージーランドやオーストラリアに2年ほど住んでいたこともあり、オセアニアの文化に魅せられてこの地にニュージーランドテイストのカフェをオープン。

 ウッド調のかわいらしい建物は、カフェのオーナー、足立さんの実家だった場所。自ら森に分け入って整備をし、店の内装はすべて手づくりしたのだという。

 注文したのは、「わさびとサーモンクリームチーズ」(1,300円)と「B.L.T」(1,100円)。天城産のわさびとサーモン、オーストラリア産のクリームチーズ、自家製燻製ベーコンとキウィソースの取り合わせは相性バツグン。

 飲み物はアイスカフェラテとアイスカフェモカ。コーヒー豆はニュージーランド・オークランドの「Allpress Espresso」のもの。

「2019年3月のオープン当初は、フラットなところにシートを敷いて飲食できるようにしていましたが、2020年12月に『SANKAKU』という三角の小屋もつくりました」(足立さん)

 小屋は友人の工務店に頼んでつくってもらったもので、壁一面を取っ払い自然と親しめる造りだが、直射日光や雨を避けられ、シートを敷けばお昼寝もできてしまう。

 小屋は3棟しかないので早いもの勝ち。サンドウィッチを注文すれば、レジャーシートや木製チェアなどを無料で貸し出してくれるから、お気に入りの場所を見つけてくつろぐのもいい。

 土・日曜、祝日は行列ができるときもあるそう。サンドウィッチはパンを焼くところからすべて手づくりしているので、事前に予約をしておくほうがスムーズだ。

 水がきれいな地で楽しむ温泉とスペシャリティコーヒー。天城の自然にどっぷり浸かる特別な時間が心も体も元気にしてくれる。

Pikiniki

所在地 静岡県伊豆市湯ケ島2860-2
電話番号 0558-79-3532
料金 サンドウィッチ 各種1,050円〜(カンパーニュはプレーンかブラックペッパー)
https://www.pikinikicafe.com/

野添ちかこ(のぞえ・ちかこ)
温泉と宿のライター/旅行作家

「心まであったかくする旅」をテーマに日々奔走中。NIKKEIプラス1(日本経済新聞土曜日版)に「湯の心旅」連載中。著書に『千葉の湯めぐり』(幹書房)。国立公園満喫プロジェクト有識者会議委員(環境省)、岐阜県中部山岳国立公園活性化プロジェクト顧問、熊野古道女子部副部長。
https://zero-tabi.com/

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