市場のほかにも中国が満載!
次に訪れたいのがビンタイ市場から徒歩3分ほどの小さな商店「Chi Tu(チートゥ)」。今やベトナム土産の定番でもあるプラスチック紐を使った編み籠の卸問屋で、値段も中心部のベンタン市場などと比べ半額以下。しかもお店自体はローカル度満点ですが、日本で普段使いもできるデザインが揃い、お土産探しにぴったりです。
街歩きの休憩がてら、ぜひ味わいたいのが中華風の甘味。中国・広東省から移ってきた一家が営む「Ha ky(ハーキー)」では、温められたゴマの香りにほっとひと息つける、黒ゴマを使ったこってり濃厚なチェーのほか、杏仁豆腐や亀の腹皮を使った漢方ゼリーなどが食べられます。
右:ひっきりなしに参拝客が訪れ、吊るしていく線香の香りが境内に満ちています
そして最後は1760年頃に建立されたといわれるベトナム最古の華僑寺院のひとつ、ティエンハウ寺へ。線香寺の名でも有名で、境内には天井から吊るされた無数のうずまき型の線香がいつ訪れてもモクモクと煙をたなびかせています。線香は寺内の販売所で購入ができ、お札をつけて旅の無事を祈願してもらうこともできます。
18世紀頃から米取引を中心に発展してきたチョロンの街。巨大な市場や華僑寺院など、中国文化と溶け合った、古きよきアジアがそこには溢れています。近代的なガラス張りのビルが並ぶドンコイ通りでのショッピングの後はひと足のばして、とことんディープなアジアを体験してみてはいかがでしょうか。
ビンタイ市場 (Cho Binh Tay)
住所 Thap Muoi St., Dist.6
ハーキー (Ha Ky)
住所 138 Chau Van Liem St., Dist.5
チートゥ (Chi Tu)
住所 21 Le Quang Sung St., Dist.6
ティエンハウ寺 (Chua Ba Thien Hau)
住所 710 Nguyen Trai St., Dist.5
杉田憲昭(すぎたのりあき)
ベトナム・ホーチミン市在住のフリーランスエディター・ライター&フォトグラファー。日本で編集者として活躍後、渡越。在ベトナム10年。女性誌や旅行誌、機内誌などの取材・撮影・コーディネートを通じ、幅広くベトナム情報を発信中。
text:Noriaki Sugita