体のコリや睡眠不足、胃腸の調子が悪い、疲れやすいなど、様々な不調を感じる時、「呼吸が浅い」と指摘された経験はありませんか? ストレスなどの影響で呼吸は浅くなると体に取り込む酸素量が減り、あらゆる不調の原因に。

 日々、絶え間なく行う呼吸だからこそ、よりよい呼吸を行いたいもの。そこで、発声をよくすることで若々しい美顔に導く「美顔ボイトレ」の理論を活用。いい声を出すための前提であり、ストレス解消にもつながる深い呼吸をする方法を美顔ボイストレーナーの鳥山真翔さんに教えてもらいました。

【動画】深い呼吸をするために意識したいことを紹介!


深い呼吸には、鼻呼吸が必要です

「一般に、口から吸って口から吐く『口呼吸』をしている人は、呼吸が浅くなりがちです。よりよい呼吸は、1、鼻から吸って 2、鼻腔の奥、脳のほうまで吸い上げ 3、のど仏の下(下気道)まで息を通し 4、胸を広げ 5、鼻からゆっくり吐くこと。すると、酸素がたっぷり脳にまで行き渡り、ホルモンバランスを調整し、自律神経を整える効果があります」

 「この鼻呼吸をスムーズに行うためには、実はまぶたの筋肉が重要です。『上眼瞼挙筋』といって、上まぶたをシャッターのように巻き上げる筋肉に連動して鼻呼吸がしやすくなります」(鳥山さん)

» 美顔ボイストレーニングの基本を参考に!

「また、一般に、腹式呼吸=深い呼吸、胸式呼吸=浅い呼吸というイメージがありますが、それは間違い。お腹を意識しすぎるあまり、お腹を固めてしまうと神経を圧迫し、かえって呼吸が浅くなってしまう可能性があるからです。人間は、意識せずに普通に呼吸をしていると胸式呼吸の方がほとんど。それを無理に変える必要はありません。それよりも、大切なのは鼻呼吸にすること。さらにこれから紹介する3つのことを意識すれば、どんどん深い呼吸ができるようになりますよ」(鳥山さん)

2021.03.24(水)
Text=Kyoko Murahana
Photographs & Videograph=Kiichi Matsumoto