住民たちが安心して出会える 場所をマーケットが提供

 カカアコ・ファーマーズマーケットを主宰するパメラさんへの出店希望はひっきりなしなのだそう。コミュニティに貢献できるよう安全面への取り組みは徹底している。

 どのテントにもサニタイザーを設置し、人数制限を行い、手にとって買い物ができるよう無料手袋を配布している。

 長蛇の列になる所は熱中症対策のテントを広げる。そのどれもが住民たちの笑顔を守るため。

 ここで「久しぶり!」と声をかけあうローカルがどれだけいることか。

 10月15日からハワイでは、州当局が定める機関で渡航前にPCR検査を受け、陰性証明書を提示すればハワイ到着後の2週間の自主隔離が免除となるプログラムが始まった。

 それを受け、アメリカ本土から観光客が訪れはじめている。観光の島の小さな前進だ。

 オアフ島東側に走るコオラウ山脈の麓のコーラル・キングダムはお土産とローカルフードのドライブインで、美しい山並みにハイウェイとは名ばかりの田舎道がどこか懐かしく、古き良きハワイが残る場所だ。

 50年以上もの間この地で観光客を迎え入れてきたが、ここまでひっそりとしたことはなかったと語るのはコーラル・キングダムGM、トーマスさん。

 ロックダウン中は地元住民のためにテイクアウトのみ営業。現在は地元客と本土から来る観光客が気軽に立ち寄れるようイートインコーナーを店先に作り、地ビールも提供している。

 キアヴェで焼くハワイ名物フリフリチキンのいい匂いとスモークが漂う。

Text=Maya Kudo
Photographs=Akira Kumagai