ただゆったりと羽を伸ばすに理想的

ビーチフロント・ヴィラスイートの庭に立つ、タイ的東屋のサラ。ほんと、知り合いの家にでも来た感じ

 ナパサイには、プライベートプールのあるレジデンスも含め、8タイプのヴィラがある。4寝室仕様のレジデンスなどは別だが、いずれも適度な広さ。このリゾートの“ほどよさ”が感じられる設計だ。

リビングスペース。奥のベッドでマッサージを受けることもできる

 最もタイらしさを感じながら心地よくというなら、ヴィラスイートがおすすめ。とくにビーチフロント・ヴィラスイートは、祠までしつらえた垣根付きの前庭があり、別荘気分の滞在を満喫できる。庭には東屋のサラもあり、リビングにもごろんと横になる空間が。加えてベッドルームがあるわけで、あちらこちらでくつろげるという構造。スイートなら、部屋でスパの施術も受けられる。

 しつらえはあくまでシンプルだが、やはりアンティークが随所に飾られており、格を上げている。バスタブも申し分のない大きさだ。

スパヴィラの構造はスイートと同じで、リビングスペースのベッドでタイマッサージ。寝室でスクラブやヒートセラピーを行う

 とまあ、部屋で過ごすだけで満ち足りることは確かだが、行動的なゲストにはプライベートボートでのフィッシングが魅力的。アントン海洋公園が近くにある海の魚影は、濃い。島の内陸部に向かい、バタフライファームで蝶を観察するもよし、スピリチュアルな滝を見に出かけることも可能。日替わりのアクティビティ・メニューも用意されている。毎晩、部屋にプログラムが届くのだが、フルーツカーヴィング、ペタンク、クッキングスクールなど、気軽に参加できるものが提案される。

 このお誘いレターの最後に、コンシェルジュ・フェイヴァリットなる一言メモがあるのだが、ホテルが飼う水牛の名前だの、微笑ましいインフォメーションが記されていて和む。ささやかなことだが、インティメートなサービス。付かず離れずのナパサイ流を感じた。

セラピーやスクラブに使う素材。食材みたいにきれいです

 もちろんアクティビティを終えたら、スパでの至福が待っている。ナパサイにはスパ棟のほかに、2部屋の施術室を備えたスパヴィラが2棟。ビーチでのマッサージもできるので、環境を変えて毎日体験するのもアリかもしれない。

 後は、ディナーが待つのみだ。

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photographs:Yuji Ono