芸達者な大先輩たちと仲良くなれたら

――放送作家という仕事に就いている人々は、俳優の瀬戸さんの目にはどんなふうに映っていますか?

 俳優もスタッフさんも同じ。表舞台に出ている人だけが偉いわけではなく、作家さん、照明さんや音響さん、衣装さんなど、皆さんがいなければ作品は完成しないということを常々思っています。

 ただ、放送作家さんについてはクレイジーな方が多いような(笑)。「よくそんなことを思いつくなあ」といつも驚かされます。

――人気コメディアンのマックス役には小手伸也さん。マックスの仲間の放送作家たちには、浅野和之さんや梶原 善さんら三谷組の常連の俳優さんもご出演。共演者の方々についてはどのように思っていらっしゃいますか?

 本当に大先輩の芸達者な方ばかり! 一癖も二癖もあるようなキャラクターたちの会話劇なので、チームワークが良くないと、きっと成立しません。皆さんと仲良くなりたいなと思っています(笑)。

――2017〜8年は、『遠野物語・奇ッ怪 其ノ参』(前川知大脚本・演出)、『陥没』(ケラリーノ・サンドロヴィッチ作・演出)で共演した山内圭哉さんに、出番直前に舞台袖で背中をさすってもらうなど、緊張をほぐしてもらったとおっしゃっていました。

 そうなんです(笑)。あの1年は山内さんとの共演が続いていて、お兄ちゃんのように優しくしてもらいました。

――その前には『マーキュリー・ファー』(フィリップ・リドリー作、白井晃演出 2015年上演)というハードな内容の舞台で、兄役だった高橋一生さんに励ましてもらったと話しておられました。今回はどなたに慰めてもらいそうですか?(笑)

 ええ? 誰でしょう?(笑) 皆さん大先輩で、松岡(茉優)さんだけが年下。彼女とはお互い10代だったころから知っているんですよ。だから、彼女に甘えるのはちょっと恥ずかしいですね(笑)。

2020.11.22(日)
文=黒瀬朋子
撮影=榎本麻美
スタイリスト=田村和之
ヘアメイク=小林純子