ナイアガラから始まる! 無限の愉悦
Bucket List――。バケットリストという言葉をご存じだろうか。“死ぬまでにやりたいことリスト”という意味でよく使われている。リストには“一生に一度は見たい絶景”を入れる人が多い。
そのひとつに地球遺産であるカナダ・ナイアガラへの旅が挙げられるだろう。壮大な滝の絶景はもちろん、まるで大地が叫んでいるかのような水流の轟音は訪れる人々を魅了する。さらに、ナイアガラからほど近いトロントの街も、旅人を心底楽しませてくれる。
コロナ禍でまだ思うように旅はできないが、叶うようになったら即、出かけたい。そのためにも今は大切な準備期間だ。ナイアガラとトロントの旅をご覧いただきながら、さっそく旅の準備を始めよう。※新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、掲載内容が異なる場合があります
ナイアガラの滝を 上から裏から大冒険!
「雷のように轟く水」という語源から派生したという説を持つ、ナイアガラの滝。世界三大瀑布のひとつであり、世界中から多くの旅行者を集める。滝といいながらも、エリー湖とオンタリオ湖を繋ぐ“ナイアガラ川の一部”だ。
この滝がじつは2カ国にまたがっている。国境に面してカナダ側とアメリカ側に分かれているのだ。いわゆる迫力のある有名な姿がカナダ滝で幅は675メートル、落差は57メートル。その水が流れていく先にアメリカ滝があり、幅が305メートルほどと小ぶりだ。
まずは滝の全容を体感しよう。滝に沿ってナイアガラパークス内を歩く。端から端までゆっくり歩くと30分以上。真っ白な雪景色のなか、白煙とともに壮大な滝が見え隠れする。白いキャンバスを背景に鮮やかな虹が現れ、そのたびに、感嘆の声をあげながら誰もがスマホで写真を撮り始める。
なんと滝の裏側へ潜入できる
ナイアガラの滝は、どんな方向からも楽しめるのが魅力。じつは滝の裏側ものぞけてしまう。
地下へ降りて長い通路を進むと、凄まじい水流の爆音が遠くから鳴り響く。恐る恐る歩いて進むと、真っ白に流れ落ちる滝に突き当たる。それがナイアガラの裏側だ。轟音を発しながら流れ落ちる水の威力を前に思わず取材スタッフの誰もが無口になり、立ちすくんでしまった。これは先ほどご紹介した動画で、ぜひ体感して欲しい。
Journey Behind the falls
https://www.niagaraparks.com/visit/attractions/journey-behind-the-falls/
地上に出たら、滝の目の前にある「テーブル・ロック・ハウス・レストラン」でひと休みしよう。店内はガラスの壁面で明るく、開放感に溢れる空間。乳白色の滝が日中から夕暮れへと色を変えていく姿を、お茶や食事をいただきながらゆっくりと観賞できる。
Table Rock House Restaurant
https://www.niagaraparks.com/visit/culinary/table-rock-house-restaurant/
天空からの絶景もお忘れなく
1964年に誕生した展望タワー「スカイロン・タワー」からも一見の価値あり。透明なガラス張りのエレベーターに乗って1分もかからずに到着。すると、眼下に美しい馬蹄形の滝が姿を現す。夕日が差し込むと、一層、ドラマティックな雰囲気を携えていく。
滝の左奥に広がる風景から、ナイアガラが“川”であることもよくわかる。
Skylon Tower
最後は夜景で締めくくる
日が暮れて暗くなる頃、滝はカラフルなライトに彩られる。1860年、ヴィクトリア女王の子息であるエドワード7世が訪れたとき初めてライトアップされた。当時は数多くの技師が携わったが、今ではこの道ウン十年のプロの照明技師が、毎晩ひとりでライトアップの操作を行っている。
このライトアップがすごいのは、予約すれば誰でも操作できることだ。好みの色を選んだり、すでにデザインされているパターンを指定したりと、白い滝を思いのまま描ける。ライトの反応は意外と早く、滝がすぐに染まり始めるので、旅の記念にあれこれと試してみて欲しい。
滞在先を選べば、ライトアップは深夜まで楽しめる。滝にもっとも近いのが「マリオット・フォールズビュー・ホテル・アンド・スパ」だ。客室の灯りを落としてカーテンを開けると、幻想的な姿が浮かび上がってくる。色を変えていくナイアガラとともに夜を静かに過ごしたい。
Illumination of Niagara Falls
https://www.niagaraparks.com/events/event/falls-illumination
Marriott Fallsview Hotel and Spa
文・撮影=CREA編集部
コーディネーター=ミッキー中村