アート鑑賞も美食も叶う トロントの旅
Bucket List――。バケットリストというこの言葉は、“死ぬまでにやりたいことリスト”という意味でよく使われている。一生に一度はやりたいことのなかに、“絶景の旅”を入れる人は多い。
そのひとつに地球遺産であるカナダ・ナイアガラへの旅が挙げられるだろう。壮大な滝の絶景は訪れる多くの人々を魅了している。さらに、ナイアガラからほど近いトロントの街を堪能する旅人が多いことをご存じだろうか。人々が造り上げたアートや美食に溢れ、大自然の美とはまた異なる魅力を発信している。
コロナ禍でまだ思うように旅はできないが、今は旅の大切な準備期間だ。今回はトロントの旅をご覧いただきながら、さっそく旅の準備に取りかかろう。※新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、掲載内容が異なる場合があります
ミニ飛行機で トロントへチェックイン!
ナイアガラからトロントまでは車で移動することが多く、所要時間は約1時間半。でも飛行機での移動もお勧めだ。15分ほどのフライトで眼下にトロントが迫り、街への期待が高まってくる。
街へ到着したら、まず眼福なアートスポットへとご案内しよう。
FLYGTA
クラシックからモダンまで 多彩なアートが待つ
#01 Casa Loma(カサ・ロマ)
最初に、大富豪ヘンリー・ミル・ぺラット卿の邸宅へ向かおう。水力発電で財をなした彼は「トロントを一望する丘にエドワード時代風の城を建てる」という夢を成し遂げるため、約350万カナダドル(当時)を居宅に投じた。約300人の人員と3年の歳月をかけて1914年に完成。3階建てで、部屋は98室と大きな豪邸だ。
その館が今、博物館として公開されている。雪景色のなかでひと際気高くたたずむ歴史的建造物は、目を奪われる存在だ。館内には優雅なクラシック音楽が流れ、往時を彷彿とさせる。『X-MEN』など数多くの映画の舞台にもなった。
夏は観光客が1日4,000人以上と長蛇の列ができるが、冬は300~500人と穴場スポットとなる。しかし、ゆっくり鑑賞するには早めの来館がお勧めだ。
Casa Loma
#02 Bata Shoe Museum(バータ靴博物館)
靴好きにはたまらないのが、こちらのバータ靴博物館。靴メーカーの社長夫人だったソーニャ・バータの蒐集により1995年に開館した。
建築家のレイモンド森山による、靴が溢れるような靴箱をイメージして建てられた館内には、世界中のありとあらゆる靴が展示されている。約4,500年にも及ぶ古今東西の靴とともに、靴の偉大な歴史を感じられる貴重なひとときだ。なかにはセレブリティが愛用したものも観られる。お気に入りを探しながら巡るのも楽しい。
Bata Shoe Museum
#03 Royal Ontario Museum(ロイヤル・オンタリオ博物館)
トロントには、北米で5番目に大きいロイヤル・オンタリオ博物館が存在する。名匠ダニエル・リベスキンドによる建築は、カメラのファインダーに収めきれないほど巨大でスタイリッシュで、館自体がアート作品と化している。
展示はカナダの歴史や文化に関するものから、恐竜の化石や中東、アフリカ、東アジアの美術などなんとも多彩。2005年には日本関連のものを常設展示する高円宮ギャラリーが併設された。
Royal Ontario Museum
文・撮影=CREA編集部
コーディネーター=ミッキー中村