宮島の鳥居の後ろに
まさかの景色が

 こうした店では、新作が入荷されるにしてもターゲットが外国人観光客に完全にシフトされているため、かなり大胆なデザインになってきます。

 たとえば、伊豆は天城の「浄蓮の滝」。石川さゆりの名曲のご当地です。この滝を見上げられるエリアに土産屋があるのですが、その入口に掲げられていたTシャツは最高に素敵でした。

 「滝」と一文字だけ考えられないくらい大きくプリントされ、その下部にローマ字で「JOREN FALLS」。

 さらに強烈だったのが安芸の宮島。神社エリア以外は島全体が土産屋街みたいになっています。そこの一軒に、こんなデザインのTシャツがありました。

「厳島神社の鳥居の背景に富士山」

 素晴らしくアバンギャルドです。シンプルにこれだけのアピールをやってのけるセンス、頭が下がります。

 外国人相手だからといって「侍」「忍者」「一番」などのデフォルトTシャツだけで逃げない攻めの姿勢。断固支持です。

 ただ、一つ気をつけるべき点があります。この手の店に、若い日本人が来ることはまずありません(私はアラフォーですが、この世界では完全に若手です)。そのため、それなりに若い人間が入店&購入すると、外国人と思われて英語で声をかけられるケースも少なくないです。日本語で返すと、

「あら、お上手ね」
「よく言われます」

みたいな。オバチャンたちとのそんな触れ合いもまた、観光地Tシャツ集めの楽しさの一つです。