アジア進出の拠点として、世界中のスターシェフが東京や香港と並べて注目するマカオ。

 今やゴージャスなダイニング体験が、マカオを旅する理由のひとつになっている。おすすめのレストランを9軒ご紹介。そのなかから、今回は驚きのファインダイニングへ。


四川料理の無限の可能性
天才料理人の新たな挑戦

カラフルな具材をダイコンで巻き、バルサミコ酢のキャビアをちらして酸辣湯を再構築。川江月の美しい一皿。

 2019年3月にオープンするや、世界のフーディーズの間で瞬く間に大ニュースとして知れ渡った。

絵画のような前菜は、冬虫夏草、豚の耳、鴨の舌といった四川の伝統食材を、それぞれ異なる風味で味付けしたもの。器は有田焼きの李荘窯のものが多く使われている。

 仕掛け人は台湾人シェフのアンドレ・チャンさん。フランス料理でアジアを代表する世界的なシェフに上り詰めた彼が、次なる素材に選んだのは四川料理。

トマトやフェンネルなどを漬けた自家製ピクルス。

 四川といえば、今、日本で流行っている麻辣のイメージだが、実は24の風味で構成され、そのうち辛味はたった3つだそうだ。

左:A4和牛を包みツナとキャビアをのせたスナック。
右:ムラーノガラスの蝶が舞うシャンデリアが輝くダイニング。

 この24の風味が時に重なり、時に引き立て合って無限の味わいを構成する。その新しい味覚の世界が見せる凄味といったら! これまでもっていた中国料理の概念が一変するはずだ。

つぼみ入りのプーアル茶。まるでワインセラーのような中国茶コレクションを誇る。

 小皿を含めると全30品以上、4時間を超える鮮烈な体験。これを味わうためだけにマカオを旅する価値がある。

ここでしか飲めないワインなど完璧に計算されたペアリングもすごい。

Text=Shifumi Eto
Photo=Takashi Shimizu
Cooperation=Macao Goverment Tourism Office

この記事の掲載号

香港・マカオ

CREA Traveller 2019年秋号

新しさと懐かしさと
香港・マカオ

定価1,350円 (税込)

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CREA Traveller 2019年秋号
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