フィレンツェの帽子職人が作る
優雅な曲線にうっとりできる名店

●Cappelli Antonio Gatto
(カペッリ・アントニオ・ガット)

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「とにかく帽子に魅せられたんだ」。

　そう語るのはピッティ宮殿前で帽子店を営むアントニオ・ガット氏。

　オペラなどの舞台が盛んだったフィレンツェで受け継がれる舞台衣装について学んでいたとき、そのなかのひとつである帽子に興味を持ったのが始まり。

「人の一番重要な部分である顔のすぐそばにある帽子はその人を表現することができ、また帽子を変えることによってその人のイメージを変えることもできるからとても面白い」

　その情熱のままに、勉強を終えるとすぐに店を構えた。

　帽子をこよなく愛する彼が作るものは、手作りならではの頭にすっと収まるフィット感と、この上なくエレガントな曲線が何よりの魅力だ。

　工房の手前がショップになっており、ガット氏のアドヴァイスを受けつつ、一つひとつ個性的でデザインの違う帽子を試着しながら選ぶのは楽しい時間。

　もちろんオーダーメイドやカスタマイズもできる。

Text & Photo＝Ryoko Fujihara