日本には、味噌や納豆、ぬか漬けなど伝統的な発酵食品が豊富にありますが、英国でもここ数年、発酵食品に対する注目が高まっています。
特に、比較的短時間で作ることができるキムチやケフィア、コンブチャと呼ばれる紅茶キノコが、健康意識の高い人々の間で人気です。
そんなヘルシーフード支持者の味覚とお腹を満足させる、野菜中心で発酵食品をふんだんに使った料理を提供するべく、ロンドンのメリルボーン地区に登場したカフェが「ハイ・ムード・フード」。
プロのシェフがその腕前を競い合うBBCの人気番組「マスターシェフ・ザ・プロフェッショナルズ」の2015年シリーズで、最終12人に選ばれた女性シェフ、ジョーイ・オヘアさんと、金融業界に身を置きながら発酵食品とヨガをこよなく愛するベルリン育ちのウルセル・バーンズさんがタッグを組んで、2017年にオープンしたお店です。
もともとフレンチ・パティセリーを専門としていたジョーイさんでしたが、前述のテレビ番組への出演後、現代アメリカの食生活に警鐘を鳴らすジャーナリスト、マイケル・ポーラン氏の著作に出合ったのをきっかけに、発酵食品をたっぷり使った野菜中心の食生活「ベジセントリック」の、胃腸に働きかける料理に目覚めたのだそう。
そんなジョーイさんの食哲学を体現したハイ・ムード・フードは、カウンターに並んだお料理を選ぶデリ・スタイル。
例えば、ランチタイムの9.60ポンドのセットは、サラダを3種、サーモンや卵、テンペなどのタンパク質を1品、そしてキムチやザワークラウトなどの発酵食品を1品、さらに、発芽させた豆類または穀類から1品とドレッシングを選ぶことができます。
文・撮影=安田和代(KRess Europe)