陝西省西安市の郷土料理が食べられる中華レストラン。手前右側が人気のビャンビャン麺。奥にある白いボトルは、稠酒と呼ばれる米のお酒。

 英国人も大好きな中華のレストランは、ロンドンにも数あれど、メイフェアにあるマーガー・ハンハンは、兵馬俑の里でもある陝西省西安市の郷土料理を専門とする珍しいお店です。

中国の寄せ豆腐。柔らかく優しい味わいです。

 北ロンドン、ユーストンのマーガー・ハンの2号店として2016年夏にオープン。現在では、平日でも開店時間の12時には、地元に住む中国人の若者の列ができるほどの人気店。

 人気メニューのひとつは、店の名前にもなっているマーガー。世界最古のサンドイッチともいわれる中国版おやきで、その歴史は紀元前の秦の時代にまでさかのぼるのだとか。しっかりと味付けしてほぐされた豚肉が、具として中に詰まっています。

西安のおやき、マーガー。

 西安料理といえば、米の収穫量が少ないこともあり、麺料理の種類が多いことで有名。マーガー・ハンハンでは、毎日手打ちで作られる幅広のビャンビャン麺が人気です。

 毎朝、その日分の生地を粉から作り、オーダーが入ってから1食分ずつ打つこだわりのフレッシュな麺が魅力。生地を両手で、2.5メートル近くしっかりのばす調理風景は、パフォーマンスのよう。

左:朝仕込まれた麺の生地。2本分が一人前の麺になります。
右:まずは麺棒でのばします。
のばした麺を両手に持って広げてしならせ、台の上にたたんで、麺を打っていきます。
打った麺を熱湯に投入。茹でたらしっかりお湯を切ります。
唐辛子とネギを麺の上に載せて、熱したオイルをジュッとかけます。
チリオイルとネギのビャンビャン麺。

文・撮影=安田和代(KRess Europe)