JR線の水道橋駅東口から歩くことたった3分。人や車がひっきりなしに行きかう大通りから少し入ったところに、「庭のホテル 東京」はある。それなのに、ここだけは静かだ。外の歩道とホテルとのあいだには、ちょっとした植栽と水の流れる小さな堀がある。そのほんの幅1メートルほどの“間”が、ホテルに外とは別世界のような静けさを与えている。
「庭のホテル」という名のとおり、庭にはこだわりがある。エントランスから続く中庭は、「武蔵野の雑木林」をイメージしてつくられ、約50種の植栽や大小の石、流れる水がある。「庭」という名にはまた、このホテルが多くの人々が集う場所、人々にとってのくつろげる庭のような存在であるように、との願いが込められている。
2009年5月にオープンしたこのホテルに集う人々には、国内はもとより、欧米などからの観光客も目立つ。2011年3月の東日本大震災前には多いときで実に7割を占めた。震災後の一時期はそうした海外からの観光客を失ったが、現在では回復し、4割を占めるという。外国人観光客が多く利用しているホテル・旅行の口コミサイト「トリップアドバイザー」では、掲載されている東京の657のホテルのうち、名だたるラグジュアリーホテルに次ぐ6位(9月13日現在)という高評価。その口コミが口コミを呼び、この隠れ家的ともいえるホテルに外国人観光客が自然と集まるようになった。