上海の街の古今の風景を
インテリアにフィーチャー

アウトドアプールの底にも大輪の花を描いた精緻なモザイクが。

 ロビーがあるのは、4階のWフロア。この階に、レストランやリビングルーム(ラウンジ)、バー「ウーバー」、スパ「アウェイスパ」、プール「ウェット」など、パブリックな施設が集約されている。

インドアプールには打たせ湯やジャグジーなど、水流マッサージのエリアも。
ロッカールーム内にある、男女別のインドアプール。

「リビングルームはDJブースがあり、Wホテルの顔的な場所なのですが、ここにも仕掛けがあります。フランス租界の住居は通りからは見えないものの、内側にはコートヤードがあります。

リビングルームのコートヤード。鎖のカーテンにはハイヒールなどが描かれている。

 そこで『ホテルの中にもコートヤードを入れてしまおう!』と、リビングルームの3カ所に空が見える吹き抜けを配置。コートヤードの内側にフランス人クリエイターによる、ハイヒールや外灘の建物に多いアートデコのモチーフを描いた鎖のカーテンを吊るしました。カーテンにも、アイデアをプラスしてあるのです。

昔のシンクロナイズドスイミングの絵が描かれたパラソル。1本ごとに図柄が異なる。

 朝の上海の公園などで見かけるのが、グループで行っている太極拳など。このシンクロした動きを何かに表現したいと思いました。そこで、プールサイドのパラソルに往年のシンクロナイズドスイミングのイラストを描くことに。

 また、そのプール建築中に高層階から見下ろした時、このホテルのテーマカラーがここにほしいな、と。そこで思いついたのが、チャイニーズレッドをアクセントに使うこと。このカラーは客室のカラーにも共通しています」

文・撮影=古関千恵子