恒例のスケートリンクにも
大クリスマス・ツリーが

 クリスマス・イルミネーションに並んで、ロンドンの冬の風物詩なのが特設スケートリンクです。博物館の前や公園などに設置され、大人も子どもも、上級者も初心者も一緒に楽しんでいます。

自然史博物館の前に設置された特設スケートリンク。

 また、柑橘系とスパイスが混じり合った香りもクリスマスならでは。街角の屋台から漂ってくる香りは、モールド・ワインと呼ばれるホットワインのもの。コヴェント・ガーデンの屋台では、英国ならではのクリスマスのお菓子ミンス・パイも一緒に売られています。

モールド・ワインとミンス・パイ、ジンジャーマン・ビスケットを売るコヴェント・ガーデンの屋台。
左:コヴェント・ガーデンにも、毎年の定位置に巨大ツリーが飾られています。
右:夜には、美しくライトアップされます。
コヴェント・ガーデンに近い古書街のセシル・コートには、控えめなキャンドル型ライトが。
コヴェント・ガーデンのマーケットの頭上には、多くの宿り木が。宿り木の下ではキスをしてもいい、という伝説をもつ、クリスマス飾りのひとつです。
コヴェント・ガーデンに設置されたトナカイのライト。
コヴェント・ガーデンのクリスマス風景。

 毎年オスロから贈られる20メートル以上もの大クリスマス・ツリーは、もちろん今年もトラファルガー・スクエアの定位置へ。

オスロから贈られたトラファルガー・スクエアの巨大なクリスマス・ツリー。

 トラファルガー・スクエアで、もうひとつ見逃せないのが、クリブと呼ばれるガラスケースに入ったキリストの降誕シーン。2006年から、毎年クリスマスに飾られている現在のクリブは、日本人アーティストの鈴木友昌さんの手による、美しい木彫りの作品です。

日本人アーティスト、鈴木友昌さんによるクリスマス・クリブ。

 最後に、英国では胸の赤いコマドリのような見かけの鳥、ロビンが、クリスマスの飾りやクリスマス・カードのモチーフとして広く使われていますが、これはキリスト降誕の夜の伝説からきているもの。

 この夜、凍えそうに寒い馬小屋のなかで、ロビンが消えかかった火に一晩中羽をばたつかせて風を送り、幼いキリストを寒さから守り、そしてロビンの胸は火に焼けて赤くなった、というストーリーがあるのです。

 見かけのかわいらしさも手伝って、英国人には大変愛されています。ロンドンでも、よく見かける鳥なので、旅行中に公園を散歩するときにはちょっと目を光らせてみてください。

英国のクリスマスの鳥、ロビン。赤い胸をしたかわいい鳥です。

安田和代(KRess Europe)
日本で編集プロダクション勤務の後、1995年からロンドン在住のライター編集者。日本の雑誌やウェブサイトを中心に、編集・執筆・翻訳・コーディネートに携わる。
ロンドンでの小さなネタをつづったフェイスブック www.facebook.com/kresseuropelimited
運営する編集プロダクションのウェブサイト www.kress-europe.com

 

Column

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文・撮影=安田和代(KRess Europe)