1992年創業の有機専門スーパー
「NaturaSì(ナトゥラシ)」

 友人や知人がイタリアに遊びに来ると必ずと言っていいほど連れて行く(または行きたいと言われる)のがスーパーです。日本では手に入らなかったり、手に入ったとしても値段が高い優れものの日用雑貨や職場へのお土産など、様々なアイテムを網羅するスーパーは一気にすべてが事足りるので非常に便利。

イタリア全土に店舗を持つ有機専門スーパー“NaturaSì”。

 でも、ひとひねり加えるなら普通のスーパーではなく、BIO(有機)専門スーパー「NaturaSì(ナトゥラシ)」がお薦めです。パッケージは可愛いし、食材はすべてオーガニック。コスメや日用雑貨は自然素材なので、お土産にも喜ばれること間違いなし。

ワイン、チーズ、野菜など、各コーナーに分かれている店内。
シャンプー、ボディーソープ&クリームなどもすべて自然素材のみを使用。

 経済的にあまりぱっとしないイタリアで今や数少ない成長産業のひとつとされているのが、有機食材やナチュラルコスメ、ビーガン&ベジタリアン・レストランなどのヘルシー系ビジネスです。

国内外の契約農家から無農薬野菜が届く。普通の野菜よりは少々割高。

 私自身も食材はオーガニックのものを選び、白米を玄米に代え、全粒粉のパスタを選ぶよう心がけていますが、年々増えるそういった消費者のニーズを背景に規模を拡大し続けているのが、イタリア最大手のBIO(有機)専門スーパー「NaturaSì(ナトゥラシ)」なのです。

さすがイタリアだけあって、パスタ類はメーカー、原料、製法など、選択肢が豊富。
野菜、果物はどれも量り売り。好きな分量を袋に入れて計りに乗せ、指定の番号を押すと価格が印字されたシールが出て来る。

 イタリア初の有機専門のスーパー・マーケットとして第一号店がオープンしたのは今からおよそ25年前の1992年のこと。

 ビオロジコ(オーガニック)という言葉がまだ一般に浸透していなかった頃でしたが、ヴェローナ(『ロミオとジュリエット』の舞台として知られる北イタリアの街)で第一号店をオープンした後、フランチャイズ展開をはじめたNaturaìは徐々に店舗数を増やし、今では北はピエモンテ州から南はシチリア州まで、イタリア全土におよぶ国内最大の有機専門スーパーに成長しました。

ワインはほとんどが国内産。有機栽培によるブドウでつくられているが、通常のワインと価格はほとんど変わらない。
チーズは好きな分量だけ買える量り売り。お願いすれば真空パックにもしてくれる。

 食の安全に対するイタリア人の意識が高まったこともその理由のひとつですが、欧米における昨今の和食ブームもひと役買っているように思います。多くのイタリア人が「和食=低カロリー=ヘルシー」との認識を高め、和食は健康にもいいし、ダイエットにも適していると注目されるようになりました。

文・撮影=村本幸枝(アッティコ)