素朴な味わいの
銘菓やデザートに舌鼓
ベトナム南部の経済都市ホーチミン市。聖母マリア教会や市民劇場、ベンタイン市場など数多くの観光名所があり、日本からの直行便が毎日運航されていることから、ベトナムビギナーからリピーターまで、一大観光都市として多くの旅行者を魅了しています。
そんなホーチミン市観光の合間に、ひと足伸ばして楽しむプチトリップの定番といえば、やっぱりメコンデルタです。そこで、今回はホーチミン市から最も気軽に行けるミトーの街をご紹介します。
ティエンザン省の省都であるミトーは、ホーチミン市から南西へ車で1時間30分~2時間ほどの街。メコン川沿いにあり、ホーチミン市から広大なメコンデルタを訪れる際の玄関口といえる場所です。
ホーチミン市からこの街へは、ローカルの長距離バスも利用できますが、旅行者にとっては旅行会社が開催するツアーで訪れるのが一般的。なかでもミトーの中心街にある桟橋から中州を巡るボートツアーは、まず一度はトライしたい人気のアクティビティとなっています。
ミトーの観光は、栄養分をたっぷりと含んだコーヒー色の川をボートで渡った先にある、トイソン島から始まります。近隣にはタンロン、フン、クイと、合わせて4つの島がありますが、このトイソン島はそのなかで最も大きな島。周辺に生い茂るココナッツを使ったココナッツキャンディの生産が盛んで、ツアーではその製造過程を見ることもできます。
次に訪れるのは、ジャックフルーツや竜眼など、南国のフルーツを育てる果樹園です。周辺で採れる新鮮なフルーツが味わえるだけでなく、現地の人々が奏でる伝統音楽の演奏や歌が旅を盛り上げてくれます。
また、休憩時にふるまってくれるお茶も美味。特産である竜眼の花の蜜を集めて作られたハチミツ入りで、さっぱりとした甘味が疲れを癒してくれます。
このように、決して豪華ではないけれど、素朴な自然の味わいがあふれるミトー。心がほっこりと温まる、そんな楽しみが待っています。
文・撮影=杉田憲昭