手漕ぎボートで
マングローブの森を探検

手漕ぎボートでは、小さな子どもたちも船頭としてお手伝い。

 島の散策を終えたら、旅のハイライトであるボートクルーズへ。ニッパ椰子やマングローブが生い茂る水路を、小さな手漕ぎボートで巡るこのクルーズは外国人だけでなく、各地からやってきたベトナム人観光客にも大人気。

 木漏れ日がキラキラと輝く水路の両脇には民家があり、現地の人々の生活を垣間見られるのも楽しみのひとつ。運が良ければ子どもたちが水路で遊んでいる姿に出会えるかもしれません。

旅行者に大人気の手漕ぎボート。

 ボートクルーズの後は、ミトーの街なかにあるヴィンチャン寺を訪れます。19世紀に建立されたこの寺は、美しい建築が見もの。ミトーには現在も仏領時代の影響を受けたフランス風の旧家がいくつか残されています。

 そのため、この寺も仏教寺院でありながら、壁面や柱の彫刻、埋め込まれた色鮮やかなタイルなど、華やかな装飾を持っており、アジアとフランスの様式を折衷した建築は、他ではなかなか見られないものとなっています。

左:フランスの建築様式と融合したヴィンチャン寺。
右:壁面を飾るタイルも可愛い。

 都市化が進むホーチミン市内では、昔ながらの農村の風景を見ることは難しいですが、ここミトーはそんな雰囲気を手軽に楽しませてくれます。カントーなどメコンデルタの奥地への旅行は数日が必要なものの、ミトーは日帰りでの訪問も可能。ゆったりとした時間が流れるメコンの休日をぜひ一度、楽しんでみてはいかがでしょう。

杉田憲昭(すぎたのりあき)
ベトナム・ホーチミン市在住のエディター&フォトグラファー。編集プロダクション・広告代理店「GRAFICA」代表。日本で編集者として活躍後、渡越。在ベトナム14年。女性誌や旅行誌、機内誌などの取材・撮影・コーディネートを通じ、幅広くベトナム情報を発信中。

Column

気になる世界の街角から

世界の12都市から、何が旬で何が起きているかをリポートするこのコーナー。
その街に今すぐ飛んで行きたくなる情報ばかりです!

文・撮影=杉田憲昭