栄誉ある授賞式は
オペラハウス・マッシモ劇場にて開催

 南イタリア・シチリア島――どこまでも広がる地中海、さんさんと太陽が降り注ぐ肥沃な大地。この類まれな風土がもたらす豊かな恵みと、長く複雑な歴史に育まれた食文化は、オリジナルで個性的。ワイン・オリーブはもちろん、小麦からドルチェまで、全方位の「美味しいもの」が揃い、訪れる人の胃袋をつかんで離しません。

ベスト・イン・シシリー2017の授賞式。マスコミ・関係者で満場のマッシモ劇場で開催された。

 そんなシチリアでは、その年のベスト1、「シチリア最高の○○」を決定するイベントが毎年開催されています。その名も「ベスト・イン・シシリー」。

 この島のもつポテンシャルの高さを自負し、業界のさらなる発展を目指し開催されるこのイベントは、シチリア州知事・シチリア州農業評議員をサポーターにグルメマガジン「Cronache di Gusto」が主催。ワイン醸造部門、農産物・食材部門、レストラン部門、ツーリズモ部門など、多岐にわたるシチリア全土の業界関係者から、クオリティ・企業精神において最も優れた企業・生産者を選出します。

美しいマッシモ劇場。1875年から1897年にかけて、巨匠建築家ジョバン・バッティスタ・フィリッポ・バジーレとその息子エルネスト・バジーレによって建設。外観は新古典様式、内観はリバティ様式(アールヌーヴォー)の見事な装飾が施されている。
メインホールを飾る優美なフレスコ画が描かれた天井は、通称“花びら”と呼ばれ、気温調節のため自動開閉する。当時としては画期的な設備だった。

 今年で10回目となる「ベスト・イン・シシリー」。いわば、2017年の“シチリアの顔”となる企業・生産者への授賞式が、1月30日、州都パレルモにて行われました。舞台は、シチリアを代表するオペラ劇場「テアトロ・マッシモ」。

 マッシモ劇場と言えば、映画「ゴッドファーザーPARTIII」のラストシーンのロケ地としてもお馴染みですが、こちら、現役のオペラハウス。シーズン中にはオペラやバレエが上演され、また主要なイベントの際には、会場として利用されたりもするわけです。1897年のオープン以来、市民に愛され続ける生きた遺跡です。

 さて、パレルモ市長レオルーカ・オルランド氏の挨拶からスタートした式典。欧州議会議員ミケーラ・ジュフリダ氏、シチリア州農業評議員アントネッロ・クラコリチ氏などなどお偉方が語る「シチリアへの熱い期待と信頼」を拝聴し、イータリー創業者オスカー・ファリネッティ氏の講演を経て、いよいよ授賞式へ。

 ご存知の方も多いと思いますが、イータリーはトリノ発祥の高品質食材専門のフードマーケット。「職人が作る最高品質の食材・食文化をすべての人に」をコンセプトに、世界展開中です。シチリアにも、近年オープンする予定。オスカー氏の食品業界におけるマーケット戦略についてレクチャーを受けた後、いよいよ今年の受賞者の発表です!

イータリーの創業者オスカー・ファリネッティ氏。(C)cronachedigusto.it

 さて、今年はどんな顔ぶれでしょう?

ゴージャスなムードの中、行われたベスト・イン・シシリー2017授賞式。(C)cronachedigusto.it

文・撮影=岩田デノーラ砂和子