緑のなかのバラ色の町、その魅力

 “緑のハート”と呼ばれるウンブリア州は、イタリアのほぼ中央、豊かな緑に恵まれた州。その深い緑にいだかれるようにしてあるバラ色の町、アッシジを紹介します。

丘の上より望むアッシジの町。

 アッシジは聖フランチェスコの生地であり、キリスト教巡礼の地としても有名で、たくさんの教会がある美しい町並みは世界遺産に登録されています。

聖フランチェスコを祀った、サン・フランチェスコ聖堂。

 町が淡いバラ色をしているのは、この地方で採れる石がこの色をしているから。その淡くてやさしい色がまた町をほんのりと華やいだ雰囲気にしてくれています。

左:薄いバラ色の石造りが美しいアッシジの町並み。
右:アッシジの大聖堂サン・ルフィーノ。

 アッシジの起源は古く、紀元前1000年頃ウンブリア人がこの辺りに移り住んだものとされています。その後、エトルリア時代、ローマ時代を経て、町は発展していきます。町には今でもローマ時代の遺跡が残されています。

左:町かどには、こんな可愛い光景も。
右:ミネルバ神殿。外側は紀元前1世紀、ローマ時代の神殿ですが、16世紀に内部を教会にリフォームしました。

 町歩きのポイントとしては、古い時代の遺跡、そしてやっぱりキリスト教の巡礼地らしく町に数多くある美しい教会めぐり。それらを巡りながら歩く道も町も、ほんのり淡いバラ色で、その色に包まれているだけで穏やかな気分になります。

文・撮影=藤原亮子