美わしの古都ペルージャ

 イタリアの中央部、緑あふれるウンブリア州の州都であり、中世の面影を色濃く残した美しい町、ペルージャをご紹介します。

中世の面影を色濃く残した美しいペルージャの町並み。

 ペルージャの名前は、中田英寿さんが在籍したサッカーチームで聞き覚えのある方もいるかと思います。また中世14世紀に創立された伝統ある大学のある町としても知られています。

左:丘の上にたつペルージャの町。眼下にはウンブリアの緑の大地が広がります。
右:中世ゴシック様式のプリオーリ宮殿。

 ウンブリア州の緑の大地に、中世の美しい建築様式に彩られたレンガ色の町が、まるで丘を上がり天に向かうようにたっています。その姿はまるで子供の頃に読んだ童話の中の、不思議な魅力に包まれた美しい王国のようです。

左:大聖堂前の噴水フォンターナ・マッジョーレ。
右:ウンブリア国立美術館(プリオーリ宮殿内)。

 その歴史はとても古く、紀元前8世紀から前2世紀、イタリアで栄えた古代文明エトルリアの12同盟都市のひとつとして繁栄しました。その後の歴史の流れにもまれつつも存続し続けたこの町には、現在も城壁や門など、2000年以上前のエトルリア時代の見事な建築を見ることができます。

左:広場の裏手、つづく小道は情緒にあふれます。
右:水道橋やアーチのあるアッピア通り。

 そのほかにも、中世ゴシック様式の代表例のひとつに挙げられるプリオーリ宮殿や、繊細な彫刻をほどこしたフォンターナ・マッジョーレのある11月4日広場は見応えのある美しさ。また、広場から裏手に入り、古いレンガ造りの建物に囲まれた小さな坂道がつづくあたりは旅情たっぷり。そのまま進むと、エトルリア時代の水道橋やアーチがあったりと、町歩きはドラマティックに展開します。

文・撮影=藤原亮子