オリーブオイルは鮮度が命! お待ちかねのノヴェッロ

 フンギポルチーニ、白トリュフ・・・・・・。秋の味覚が続々登場するイタリア。この時季からは、オリーブオイルの「ノヴェッロ」、いわゆるヌーヴォー・オイルが登場します!

搾油されたばかりのオリーブオイル! 品種によって多少差はありますが、主に美しい緑色。

 ノヴェッロ・オイルは、収穫初期に若摘みされたオリーブを搾った新オイルのこと。ピチピチのオリーブから作る天然・無添加のノヴェッロは、オイルというよりオリーブジュースのようなフレッシュな味わいが特徴で、オリーブオイルが好きな方なら、そのまま飲めそう! なくらい油っこさを感じさせない、サラッとしてクリアな口当たり。ほんのりとした苦味に、喉と舌を刺激するピリピリとした辛み、さらに爽快な青い香りも心地よく、そのイメージは「イケメンの青年」。若さ漲る風味が魅力です。

フィルターをかける前の搾り立てノヴェッロをパンにかけて。ピリピリ辛い!

 オリーブオイルは、酸化しやすく、光や熱で劣化するデリケートなもの。収穫直後から酸化が始まると言われ、また瓶の中でも劣化は進行するため、開封したらできるだけ早く使い切るのがよしとされています(無添加・高品質のものなら約2週間程度)。酸化劣化したオリーブオイルほど悲しいものはなく、たとえ美味しいフンギ・ポルチーニが手に入ったとて、ひと振りで台無し。ネコに小判? 馬の耳に念仏!?  とにもかくにもオリーブオイルは鮮度が命。新しければ新しいほど、その醍醐味を味わえるのです。

冷夏の影響が心配された2014年ながら、例年通りの収穫高が期待できそうなシチリアのオリーブ。

 2013年産のオリーブオイルを使い切った感のある今、スーパーマーケットのオイルコーナーの棚も空きが目立ち、登場が心待ちにされる2014年の初物オイル。この夏は、例年にない冷夏となったイタリアですが、イタリア最南部に位置するシチリアの各生産者によれば、特に影響なしとのこと。収穫時期も例年通りに、10月中旬からスタートしています!

文・撮影=岩田デノーラ砂和子