シチリア的こだわりを体験できるバーガーメニュー

 FUD ボッテーガ・シクーラのハンバーガーで使う食材は、ラグーザ産の牛や水牛、ネブロディ山脈の黒豚、モディカ産のチキン、そしてキアラ・モンテ・グルフィ産のロバ。さらにヌッビア産の赤にんにく、ジャッラターナ産のタマネギ、ラグーザDOPのチーズ、香り高いシチリア産オレガノなど、トッピングの野菜やチーズに至るまで、シチリア食材をよく知るツウも納得のラインナップ。肉系のみならず、今やイタリアでも欠かせない、ビーガンバーガーやベジタリアンバーガーもメニューに並びます。

店内にはお持ち帰り用のオリジナル厳選シチリア食材も並ぶ。その数100種以上!
ラグーザ産牛肉100%に、ネブロディ山脈の黒豚のグアンチャーレ、マドニア山脈のプロボラチーズを挟んだ逸品! BECブルゲール 7.9ユーロ。

 オーナーが信頼を寄せるシチリアじゅうの生産者から直接仕入れた、良質で安心感のある食材をサンドするのは、シチリア産小麦を使用した自家製もしくは近くの工房でパン職人が香ばしく焼き上げたバンズ。隅から隅までシチリア産のバーガーをガッツリ食べれば、お口の中が“シチリアン・メリーゴーランド”です!(ちと古いか……)

 エトナ山のワイナリーとコラボレートしたシチリア原産種ブドウ100%のオリジナルワインも揃え、そのボトルには、ラグーザの紙加工職人が50年代頃の器具と技術を復活させた手作りのラベルを使うこだわりっぷりです。

パレルモ店出店記念のナチュラルスプマンテ。カタラット100%を瓶内2次発酵させ、まろやかな風味。キレのよい後味は、FUDのバーガーと相性ぴったり。限定600本、25ユーロ。

 ちなみに、メニューは「AM BURGHER」や「ORS BURGHER」など、ちょっと奇妙な表記。これは、アム・ブルゲールにホルス・ブルゲールなどと読みますが、これは、Hを発音しない、Rを巻き舌にしちゃう、ついでにGEはジェって発音しちゃうシチリア人の英語発音をイタリア語風アルファベート表記にしたもの。なので、そのまま読めば、シチリア人っぽい英語発音を楽しめる(?)というわけです。

パッケージもなんだかカワイイ、シチリア産アーモンド 5.5ユーロ。
お持ち帰りしやすい豆類も。左からシチリア産そら豆、ガラス豆、黒レンズ豆各3.5ユーロ。

 オーダーするときさえもシチリアっぽさを満喫できるFUD。「せっかくシチリアに行くのだから、シチリアならではの食事だけしたい!」なんていう旅行者も、きっと満足できるはず。カターニャとパレルモ、東岸と西岸に1軒ずつあり、食べるチャンスは2倍。シチリアを訪れる機会があったら、ぜひご賞味下さい!

FUD bottega sicula(フッドゥ・ボッテーガ・シクーラ)
URL http://www.fud.it/

カターニャ店
所在地 Via Santa Filomena, 35
電話番号 +39-095-7153518

パレルモ店
所在地 Piazza Olivella, 4
電話番号 +39-091-6112184

岩田デノーラ砂和子
2001年よりイタリア在住。約10年間のローマ生活を経て、現在は憧れだったシチリアの州都パレルモ在住。イタリア専門コーディネート・通訳チームBuonprogetto主宰。イタリア関連著書多数。近著『おしゃべりのイタリア語』が絶賛発売中。イケメン犬「ボン先輩」と、やらかし系イタリア人の夫「ピンキー」との日々を綴る人気ブログ:ローマの平日シチリア便りもほぼ毎日更新中。

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文・撮影=岩田デノーラ砂和子