館内施設のあちこちにアートが存在

常設コレクションの報道写真は見ごたえあり。
MAGNUM-CONTACT SHEETS展。いくつかの写真はガラスの額が2重構造になっており、開いて裏側も観覧できるなど、趣向が凝らされている。

 私は個人的に、ここの写真コレクションが気に入っている。トルコ報道写真の巨匠、アラ・ギュレルをはじめとした現代写真はイスタンブール・モダンの得意分野のひとつ。マグナム報道写真展もこれまで何度か開催しているが、2015年には「MAGNUM-CONTACT SHEETS」が2月26日~8月2日と長期にわたって開催。

左:美術館は2階構造になっており、間を結ぶらせん階段もアート作品。Monica Bonvicini “Stairway to Hell”(2003)/Courtesy of İstanbul Modern
右:ミュージアムの目玉作品。Richard Wentworth “False Ceilling”(2005)/Courtesy of İstanbul Modern

 館内は広過ぎることなく、2~3時間あれば見て回ることができる規模感がちょうどいい。上の階と下の階を結ぶ階段や、ライブラリーの隣の廊下に広がる本の天井など、何気なく存在する館内施設の一つ一つも、実は立派な芸術作品だ。

館内のレストランは広々としていて開放的。
テラスから見える海の向こうにはイスタンブール歴史地区の半島が横たわり、トプカプ宮殿、アヤソフィア、ブルーモスク、スレイマニエモスクと歴史的建造物が並ぶ。

 併設のイスタンブル・モダン・レストランもなかなかレベルが高いのでおススメ。特に海を望むテラスからは、対岸にトプカプ宮殿やアヤソフィアの絶景が広がる。古の歴史地区を遠くに眺めながらモダンアートのなかで食事を楽しむ、というのもまた一粒で二度おいしいシチュエーションかもしれない。

İstanbul Modern(イスタンブール・モダン)
所在地 Meclis-i Mebusan Cad. Liman İşletmeleri Sahası, Antrepo 4, Karaköy, İstanbul
電話番号 0212-334-7300
開館時間 10:00~18:00(木曜 ~20:00)
料金 19トルコリラ(木曜は無料)
休館日 月曜
URL http://www.istanbulmodern.org/en

安尾 亜紀 (やすお あき)
イスタンブール在住。イスタンブール大学大学院女性学研究所卒。女性誌や料理誌、報道関係まで幅広い分野でライター・コーディネーターを担当。トルコの「おいしい・楽しい・新しい」を中心に、All Aboutトルコ・イスタンブールでも情報発信中。

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文・撮影=安尾亜紀