史上初の入植者は白人5人とハワイアン30人

高台から見下ろす父島・二見港。島でいちばん賑わっているエリア。

 無人島だった小笠原に、最初に移住したのは、実は日本人ではありません。

 19世紀ごろから捕鯨船や調査船が海を渡って遠方から訪れ、1830年になってようやく、ハワイからやってきた白人5人とハワイアン30人が最初の入植者に。1876年に日本の領土として認められてから、八丈島や本州からも、人々が移り住んだそう。なので、今では4~6代を経てはいますが、どことなく西欧的な面影を感じる年配の方々も。

ビーチで出会ったワンちゃんは海遊びが大好きな島育ち。

 小笠原で印象的だったのは、この自然に魅せられて移り住んだ人々。イルカに会いたくて。サーフィンがしたくて。ここだと思って。いろんな理由で小笠原に心奪われ、移住した若い世代やアーティスト。片道25.5時間の離島暮らしは楽しいことばかりではないでしょうが、自分の暮らす場所を自分で選んでいる人の目は、なんてキラキラしているんだろう、と。

バンドウイルカちゃんたちと一緒に遊んだひと時。今でも思いだしては、感動!(C)野元学

 島も自然もそこに暮らす人々も、ピースな和が保たれている小笠原。この島々は、訪れたものを夢中にさせる何かを隠しもっているようです。

小笠原 父島
●アクセス 東京・竹芝桟橋からおがさわら丸で約25時間30分
●おすすめステイ先 パパス・アイランド・リゾート
URL http://papasds.com/pir/

古関千恵子 (こせき ちえこ)
リゾートやダイビング、エコなど海にまつわる出来事にフォーカスしたビーチライター。“仕事でビーチへ、締め切り明けもビーチへ”をループすること1/5世紀あまり。世界各国のビーチを紹介する「世界のビーチガイド」で、日々ニュースを発信中。
「世界のビーチガイド」 http://www.world-beach-guide.com/

 

Column

古関千恵子のニッポン極楽ビーチ十景

 CREA WEBの好評連載コラム「世界極楽ビーチ百景」で海外の至福ビーチ事情をレポートし続けているビーチライター・古関千恵子さんが、特別篇として国内の厳選ビーチをおすすめします。三浦、伊豆、房総といった首都圏からのアクセスに優れた場所から、沖縄の離島や小笠原といったスペシャルな南国まで、日本が誇る10の絶品ビーチをご紹介!

2015.07.11(土)
文・撮影=古関千恵子