ミラノ万博「EXPO Milano 2015」開催中!

「EXPO Milano 2015」の会場にて。

 ミラノでは109年ぶりの大型博覧会となる、現在開催中の国際博覧会「EXPO Milano 2015」(~10月31日まで)。予想入場者数を上回る来客でにぎわう会場を現地からレポートします。

会場のメインストリート。日よけもあり、広く歩きやすい。

 今回の博覧会のテーマは「地球に食料を、生命にエネルギーを」。生活水準の豊かな日本からはすぐには想像しにくいですが、実際、世界ではおよそ8億5000万人が飢餓に苦しんでいます。それは、気候変動による作物不足、国際情勢の不安定さによって安定した食料を供給できないといった、地球上に起こっている様々な問題とつながっています。また一方では食料が余って捨ててしまう社会、遺伝子組み換えや合成添加物など行きすぎた技術による食への不安など、食料難にない地域でも食に関する様々な問題があります。

 人の源である食という根源のテーマに立ち返ることによって、それにつながっていく地球上の様々な問題を見直し、安定かつ良質な食料の供給を目指すことで、私たちの生活を豊かで幸せなものにしようというものです。

左:イタリアの特産品を販売するブース。
右:「生命の木」と名付けられたオブジェ。夜には噴水と共にライトアップショーがおこなわれる。

 難しく書いてしまいましたが、要は「お腹いっぱい、幸せいっぱい」というとってもシンプルで、みんなに共通な掲題で、とっても分かりやすく、伝わりやすいもの。特に、おいしいものにあふれた美食王国イタリアだからこそできる、おいしいものと楽しい雰囲気にあふれた会場を訪れることによって、日々の自分の食生活、そしてちょっと周りの世界の食について自然に考える良いきっかけになります。

左:カザフスタンのパビリオン。
右:カタールのパビリオン。
左:日本館。この日は平日でしたが、40分待ちの人気でした。
右:オランダ館の前のバーコーナー。夜にはDJイベントで盛り上がります。

 さてさて、博覧会のテーマは頭の片隅にでも置いておきまして、難しいことは抜きにして会場を楽しみましょう。そこはなんてったって「食」がテーマですから、おいしい楽しい空間なのです。

文・撮影=藤原亮子