宿泊せずにガイド付きのツアー見学も

 ただし、ポーターはいないので荷物は自分で部屋まで運ばなければならないし(しかもエレベーターはないので階段で)、タクシーを呼んでくれたり、メッセージを預かってくれるフロントもない。ホテルのような便利なサービスはいっさいないことを覚悟しなければならないが、そういった不便さをよしとできる人なら、通常では絶対に味わうことのできない貴重なバカンスが体験できることは間違いない。

館内の螺旋階段。エレベーターがないので客室までは階段で荷物を運ばなければならない。必要なものだけを部屋に運び入れ、1階のクロークにスーツケースを預けることも可能。

 あまりに重厚過ぎて夜は何かが出てきそう……(苦笑)と二の足を踏む人は、企画展(頻繁に開催している)を観に出向いたり、ガイド付きの宮殿見学を利用して入館するとよい。そして、その後は館内のカフェテリアでの休憩もお忘れなく。ほんのひとときでも優雅な気分に浸ることができるはずだ。

8ヘクタールもある広い庭園。早起きをして早朝の散歩を楽しめるのも宿泊者だからこその特権。
庭園に突き出したテラスから望む宮殿。逆光を受けて辺りが赤く染まる夕暮れ時は幻想的な美しさだ。
庭園から望むバチカン市国サンピエトロ寺院のクーポラ。ローマを象徴するパノラマのひとつだ。

Académie de France à Rome Villa Medici
所在地 Viale Trinità dei Monti, 1 00187 Roma
電話番号 +39-06-67611
宿泊予約受付 月~金曜 9:30~15:30
予約方法 希望の部屋タイプと到着および出発の日を明記の上、下記ウェブサイト内に記載されているメールアドレスへメール送付
料金 ヒストリカルルーム全4室・1泊350ユーロ~、クラシカルルーム全5室・1泊250~350ユーロ、スタンダードルーム全3室・1泊150~350ユーロ (いずれも朝食なしの素泊まり料金)
URL http://www.villamedici.it/
※ガイド付き観光(英語・フランス語・イタリア語)あり。月曜休。

村本幸枝 (むらもとゆきえ)
株式会社アッティコ代表。1986年、はじめてイタリアへ渡る。その3年後、ローマに移住。現在は東京と自宅のあるローマ郊外ブラッチャーノ湖の湖畔で年の半分ずつを過ごしながら、イタリアではTV・雑誌の撮影およびイベント・企業視察のコーディネートを手がけ、東京中央区では日伊文化交流サロン「アッティコ」を主宰し、イタリア関連の講座・イベント・セミナーを開催している。
日伊文化交流サロン「アッティコ」:http://www.attico.net/

Column

気になる世界の街角から

世界の12都市から、何が旬で何が起きているかをリポートするこのコーナー。
その街に今すぐ飛んで行きたくなる情報ばかりです!

文・撮影=村本幸枝(アッティコ)