余剰食品でつくられた一流のお料理
ここで料理をしている創設者のひとりジェームズ・スマートさんは、オーストリア・ハンガリー・レストランでエグゼクティブ・シェフも務めるプロのシェフ。地元のスーパーマーケットや、チェーンレストランなどから届く余剰食材を見て、その日のメニューを組み立てます。普通のレストランのように、自分で選んだ食材が届くのではなく、その日の食材によって臨機応変になにをつくるのか、残り物を出さないように決めなければなりません。「それがなによりもチャレンジングで楽しいんです」とジェームズさんは話します。
3月の増築後の再オープンの際に、私自身も冬のオープンドアで、たき火にあたりながら、チキン・ジャンバラヤをいただきましたが、まさに盛りつけも味もレストラン・レベル。こっくりと濃厚な出汁のきいたライスが絶品でした。カウンターに設置されている、寄付金ボックスにお金を入れましたが、食事の対価は現金である必要はなく、椅子や食器などの物々交換でもOKとのこと。寄せられた寄付金は、光熱費などの経費に充てられるのだそうです。
この「セイブ・ザ・デイト・カフェ」が参加しているネットワーク「リアル・ジャンク・フード・プロジェクト」は、現在、海外展開も視野に入れているそうです。日本でも同じようなプロジェクトが立ち上がる日も、もしかしたら遠くないのかもしれません。
Save the Date Cafe
所在地 2 Abbott Street, London E8 3DP
営業時間 11:00~14:30(水曜~土曜)、18:00~22:00(夜は金曜のみ)
URL http://savethedate.london/
安田和代(KRess Europe)
ロンドンを拠点とする編集プロダクションKRess Europeの代表。現在、ヨーロッパでの生活をテーマとした初めての電子書籍を刊行すべく、準備中。
文・撮影=安田和代(KRess Europe)