40 歳の若さでこの世を去ってから早くも5年
英国を代表するファッション・デザイナー、アレキサンダー・マックイーンが40歳の若さでこの世を去ってから早くも5年。独創的な発想のデザインに誰もが注目したマックイーンの、英国初となる一大回顧展「Savage Beauty」をヴィクトリア・アンド・アルバート博物館にて2015年8月20日まで開催中です。
このエキシビションは、2011年にNYのメトロポリタン美術館で開催された回顧展を再編・拡大したもの。今回、キャットウォーク以外では未公開の作品も含む66点を新たに加えた、合計244点のアイテムを、これまでのショーの映像や音楽、本人の肉声などの演出を加えつつ、合計10室のギャラリーにて展示しています。
「London」と名づけられた最初のギャラリーには、1995年の春夏と秋冬、そして翌年の春夏と、初期の3つのコレクションに注目し、キャットウォークを映像で見せながら、10点の作品を展示しています。つづいて昔ながらの仕立てのメソッドを打ち破るような、マックイーンならではのシルエットを紹介する「Savage Mind」、そしてマックイーンが好んだヴィクトリアン・ゴシックを彷彿とさせる作品は、その次のギャラリー「Romantic Gothic」に。ここには、マックイーンの最後の未完のコレクションの一部も展示されています。
自然やその根源的なものに惹かれたマックイーンの嗜好が表れているのが、「Romantic Primitivism」。ここでは、西アフリカのヨルバ族に伝わる神話にインスパイアされた作品などが展示されています。つづく「Romantic Nationalism」では、自らのルーツでもあるスコットランドから発想を得たデザインをフィーチャーしています。
文・撮影=安田和代(KRess Europe)