昭和初期に開業した那須の老舗温泉旅館「山水閣」。今回は、10年前にその隣にオープンしたアネックス「那須別邸 回」をご紹介します。

» 第1回 いくつもの顔を持つハイランド・那須を愉しむ
» 第2回 滝の水しぶきを受けマイナスイオンを体感
» 第3回 開放感あふれる広大な丘陵で馬と見つめ合う

■那須別邸 回
ほぼ無色透明のお湯が肌をやわらかく包む

リビングとテラスがひと続きになるタイプの客室。テラスとつながっているので、室内にいても開放的な雰囲気が味わえる。

 山水閣は、昭和初期に開業した那須の老舗温泉旅館である。そして10年前、すぐ隣にアネックスをオープンした。それが今回の宿泊先である「那須別邸 回」だ。

 山水閣が伝統的な和風旅館であるのに対して、「那須別邸 回」はテラス付きの客室やメゾネットタイプの客室が用意されるなど、モダンな造りになっている。

この客室の主寝室。ベッドは宮内庁御用達ブランド。

 チェックインをしてまず感じるのは、林に囲まれたこの宿の静かさだ。2キロ離れた小学校のチャイムの音が聞こえることもあるというほどで、普段の生活がいかにノイズに満ちているのかを思い知らされる。ぼーっとするもよし、考え事や読書をするもよし、とにかく落ち着く空間だ。

客室の鍵穴風呂。茶臼岳の標高1300メートルに湧く、新那須温泉を引く。

 すべての客室に、那須御用邸と同じ泉質だという源泉掛け流しの浴室が備わる。お湯はほぼ無色透明で、肌をやわらかく包んでくれるのが印象的だ。宿のスタッフが「まぁるいお湯です」と紹介していたけれど、なるほど言い得て妙だと感心した。

撮影=柏田芳敬
文=サトータケシ
地図=シーマップ