デザイン好きにはたまらない　
バルセロナの最旬アートスポット

様々な分野のデザインを堪能できる構成に

デザイン関係の資料が充実しているライブラリー･スペース。すぐ横はカフェ･スペースになっている。(c)Museu del Disseny de Barcelona

 さて、このデザイン･ミュージアムであるが、展示品は、ペドラルベス宮殿内などにあった装飾美術館(Museu de les Arts Decoratives)、陶器美術館(Museu de Ceràmica)、テキスタイル･服飾美術館(Museu Tèxtil i d'Indumentària)、それにグラフィック･アート室(Gabinet de les Arts Gràfiques)の収蔵品を母体としている。トータルで7万点を超えるこれらの収蔵品のうち、1800点以上が丹念に修復され、さらに、デザイン･ミュージアムという新しい枠組みのなかでいかに管理・展示するかについて綿密な研究を経て、今回の一般公開に至った。

インダストリー・デザインの展示フロア。見覚えのある懐かしいデザインに見入る人も多い。(c)Museu del Disseny de Barcelona

装飾美術の展示には、ため息の出るようなアンティークの品々が多数。

 現在の展示はフロアごとに4テーマ。まず1階はインダストリー･デザイン。カタルーニャ地方でデザイン、もしくは製造されたものが中心だ。2階に展示されているのは、古くは3世紀から20世紀に至るまでの装飾美術関連。3階では16世紀半ばから現在までの服飾の変遷が展示され、4階ではポスターなどのグラフィック･アート、という具合に、様々な分野のデザインを堪能できる構成になっている。

服飾デザインのフロアでは、コルセットの変遷など、主に女性のモードの移り変わりを実感できる。(c)Museu del Disseny de Barcelona

 これら基本の4展示に加え、2月からは企画展も予定されており、デザイン好きにはますます目が離せないスポットとなりそうだ。

グラフィック･デザイン展示フロア。レトロなデザインのポスターが逆に新鮮だ。(c)Museu del Disseny de Barcelona

文・撮影＝坪田みゆき