お手頃価格で楽しめる日本料理店が続々登場

ベトナムの現地向け日本料理店のはしりとも言える「ザ・スシバー」。

 2013年12月にユネスコ無形文化遺産に登録された「和食」。単なる食事でなく、文化として世界から高く評価されたことは、海外に住む日本人にとっても誇らしいことでした。

 そんな和食が近年、ベトナムでもブームになっています。数年前までは高級料理のイメージが強く、外国人や一部の富裕層にターゲットを絞ったお店がほとんどでしたが、最近では現地向けに料金をおさえたお店が続々と登場。ホーチミン市中心部に新しいショッピングモールができると、そのなかに必ず1軒は日本料理店があるのでは……というほど多くの人に親しまれています。

 そんな日本料理店のなかで、“現地向け”として真っ先に名前があがるのが「ザ・スシバー」。1999年にオープンした老舗で、在住日本人はもちろん、欧米人や現地ベトナム人で連日賑わいを見せています。このお店の登場までは「日本料理店=純和風」といった造りのお店が大半でしたが、良心的な料金設定、本格的な味に加え、黒を基調としたモダンな内装が人気を呼び、今ではホーチミン市に6店舗を構えるまでになりました。

今も多くの人で賑わうイオンモール。レストランだけでなく、「ダイソー」などの日系小売店もはいっている。

 また、2014年1月には、ベトナムにイオンが進出。タンソンニャット空港近くにオープンした「イオンモール」には、日本でも名の知れたレストランが並ぶ一角や総菜の販売店もあり、ここを訪れた人はオープン初日だけで約15万人といわれるほどの盛況ぶり。このモールの登場が現在の和食ブームに拍車をかけたと言っても過言ではありません。

文・撮影=杉田憲昭