ビーチを楽しんでこそのバルセロナ、5ツ星ホテル完成で人気のエリア

 バルセロナの魅力のひとつであるビーチサイド。「もう秋だし、ビーチなんて」と言うなかれ。海に入るには寒い季節でも、日光浴する人やビーチバレーを楽しむ人、カフェテリアでのんびりする人、ジョギングに精を出す人などなど、バルセロナではビーチは年間を通して市民や観光客の憩いの場なのだ。

グリーンスペースが多いのも、このビーチエリアの特徴。

 最も有名なのは、ガイドブックなどでもよく紹介されているバルセロネータ・ビーチや、オリンピック港周辺のビーチだが、最近になって市民の間で人気がでてきたのが、ビーチラインの西の端、サン・セバスティア・ビーチのさらに先にあるノバ・ボカナ(Nova Bocana)と呼ばれるエリアだ。

エリア開発の核となった、W Barcelona。

 少し前までは、倉庫が並ぶくらいで何も見るべきものがなかったこのエリアに、5ツ星ホテルの「W バルセロナ」がオープンしたのが2009年。それから次第にその周辺が整備されていき、昨年、大手アパレルブランド「Desigual」が本社を移したことで、一躍市民の間でこのエリアに対する認識が高まった。

 中心街から少し離れたロケーションのため、観光客でごった返すこともなく、また核となっているのが高級ホテルということもあり、他のエリアに比べてぐっと落ち着いた雰囲気なのが人気の理由。さらに、ここからの眺めも格別だ。ゆるやかに弧を描く海岸線の端にあるだけに、数キロに渡るバルセロナのビーチラインを一望することができるのである。

文・撮影=坪田みゆき