プラハに来たら必見!
アルフォンス・ミュシャの大作「スラブ叙事詩」

 ミュシャが手がけた作品のなかでも群を抜いて見ごたえのあるのが、「スラブ叙事詩」です。現在、国立現代美術館(ヴェレトルジュニー宮殿)にて展示中で、ミュシャがプラハへ戻った1911年から1926年にかけて描かれたもの。6~8メートルという巨大キャンバス20枚からなる連作画で、チェコ民族であるスラブ人たちが歩んできた歴史の喜びや悲しみが壮大な画面に凝縮し、そこに表現されたミュシャの思いに誰もが圧倒されます。

「スラブ民族の起源」(1912年) (C) Mucha Trust 2015
「プラハ・ベツレヘム礼拝堂での宗教改革者ヤン・フスの説教」(1916年) (C) Mucha Trust 2015
「スラブ賛歌」(1926年) (C) Mucha Trust 2015

 この巨大な作品群を生んだ彼のアトリエは現在でも残っています。それがプラハから西へ約60キロメートルにあるズビロフ城。ここで彼は20枚の連作画を一枚一枚完成させていきました。現在、ズビロフ城は古城ホテルとして有名で、ミュシャのアトリエも古城見学ツアーで一般公開されています。

現在のズビロフ城。

 チェコ人は現在でもミュシャの描いた「スラブ賛歌」に自分たちの歩んできた歴史を重ねます。誇り高いチェコ人たちの我が祖国を愛する心は、ミュシャの絵によってこれからもずっと受け継がれていくことでしょう。プラハにお越しの際は、ぜひこの世界観に触れてみてください。

ミュシャ美術館
所在地 Kaunický palác,Panská 7, 110 00 Praha 1
電話番号 +420- 224 -216 -415
URL http://www.mucha.cz/

プラハ市国立現代美術館(ヴェレトルジュニー宮殿)
所在地 Dukelských hrdinů 47,170 00 Praha 7 - Holešovice
電話番号 +420-224 -301- 111
URL http://www.ngprague.cz/en/

ズビロフ城
所在地 Masarykovo náměstí 624 ,338 08 Zbiroh
電話番号 +420 -371- 784 -621
URL http://www.zamek-zbiroh.cz/

クレメントゆみ子(くれめんと・ゆみこ)
2005年からチェコ共和国プラハ在住のコーディネーター・フリーライター・現地ガイド。日本からの各種メディアの取材・撮影コーディネートからWEBへの執筆、現地日本語ガイドまで幅広く活動する。チェコ・プラハの現地情報を発信するブログ:新チェコ生活日記2 http://prahalife2.exblog.jp/
現地で運営するエージェントのウェブサイト http://www.czechtraveland.com/

 

Column

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文・撮影=クレメントゆみ子