セレブリティが愛して止まない温泉地マリアンスケー・ラーズネェ

 チェコ共和国の首都プラハより、西へ特急列車に乗ること約2時間15分。そこには19世紀よりヨーロッパのセレブリティたちが愛して止まなかった温泉保養地マリアンスケー・ラーズネェがあります。ここを訪れたセレブのなかには、英国王エドワード7世、ロシア皇帝ニコライ2世、作家フランツ・カフカ、音楽家ワーグナー、ショパン、詩人ゲーテ……と、世界に名を残す著名人が名を連ねています。そんな人々の心身を癒すためにこの地は存在し続けてきました。人気保養地マリアンスケー・ラーズネェのツウな楽しみ方をご紹介しましょう。

 マリアンスケー・ラーズネェの町の中心部には1889年に建設されたネオバロック様式の美しいラーゼンスカー・コロナーダがあり、内部にはクロス源泉、カロリナ源泉、ルドルフ源泉の3つがあります。16世紀にはすでに最初のクロス源泉が発見されていたそう。

ラーゼンスカー・コロナーダの外観はまるで劇場か何かのよう

 コロナーダの内部には美しい天井画も描かれており、よーく探してみるといちばん奥の天井画には3人の宇宙飛行士の姿も。こんなユーモアが隠されているのもチェコならではです。

ラーゼンスカー・コロナーダの内部にはお店やカフェも

 源泉の効能は、貧血、肥満、消化器系、内分泌系、呼吸器、皮膚、肝臓疾患、尿道結石など。まずは温泉水を飲むスペシャルカップを買って早速飲泉。たくさんの種類のカップからお気にいりのマイカップを探してみましょう。

飲泉用マイカップもメイド・イン・チェコの焼き物。なかにはブルーオニオン製のお土産になりそうな品も

 源泉から湧き出るお湯は、決しておいしいとはいい難い味。鉄分・硫黄分が強い独特な味がします。そこで、お口直しに歩きながら食べられるお菓子が、スパワッフル。ラーゼンスカー・コロナーダの建物のすぐそばにお店を構えており、手軽でおいしいのでお土産にも最適な品。あのエドワード7世もお気に入りのお菓子だったそう。

1856年から創業のスパワッフルはチェコの人気菓子

 体の内部から湯治をした後は、肌をつやつやにしてくれるスパをぜひ体験したいもの。マリアンスケー・ラーズネェ屈指の温泉保養リゾート、1896年から創業のノヴェー・ラーズネェではさまざまな種類のスパ体験を楽しむことができます。

冬のノヴェー・ラーズネェ、ゴージャスな外観

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