百塔の街・プラハの名物は尖塔だけじゃない。ここでは、個性あふれる通好みのラグジュアリーホテルがあなたを待つ。プラハでしか体験できない最高のステイを楽しもう。

» 第1回 奇想の王ルドルフ2世が愛したプラハ城下の隠れ家ホテル

音楽づくしのホテルにてミュージック三昧の滞在
アリア・ホテル

ジュニアスイート313号室、チャイコフスキーの間から望むヴルトボフスカー庭園。ダイレクトな通路のある庭は、借景というよりホテルの庭といった感覚だ。庭園は18時に閉まるが、ホテルのゲストだけは21時30分まで入ることができる

 ひたすら音楽にこだわったホテルをつくろうと着想を得るのも、プラハならでは。ここアリア・ホテルは考えうる限りの“音楽”で埋め尽くされている。エントランスからレセプション、ラウンジまでの壁面は、音符のモザイクで埋められ、音楽とバレエに特化したコンシェルジュが客の到来を待つ。

左:プラハの数ある庭園の中でも最も美しいといわれる ヴルトボフスカー庭園
右:音楽コンシェルジュのヘンリー。彼はバレエに強く、音楽のことならもうひとりのコンシェルジェ、イヴァナに聞くのがベストとか。ライブラリーには5000を超えるCDやDVDが収蔵されている

 暖炉のある音楽ラウンジ、音楽ライブラリー、12席の小さなシアターではDVDを鑑賞することもできる。客室は、モダン、クラシック、オペラ、ジャズのフロアに分けられ、偉大な作曲家やミュージシャンの名が冠されているという具合だ。館内のそこここに見られる、ちょっとカリカチュア風の作曲家たちのイラストもユーモラスで楽しい。

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写真=小野祐次
構成・文=大沢さつき
取材協力=マルチン・ヴァチカージュ、テレーザ・サイモン