観光も楽しめて大にぎわい、ナープラフカのマーケット
プラハで今、トレンドともいえる週末の過ごし方、それはファーマーズマーケットへ行くこと。市内各地で開催されるファーマーズマーケットは、最近では出店するお店も充実し、訪れる市民も増え、大規模になってきています。健康にいいものを食べたい、良質なものを食べたい、チェコ国産のものを食べたい……、そんな市民の素朴な声を形にしたのがファーマーズマーケットのコンセプト。チェコ各地から産地直送の品々が持ち寄せられ、作り手に会って、直接商品を買えるという安心感もあるところが大好評。野菜や果物はほとんどをファーマーズマーケットで仕入れる、という人も多く、鮮度や品質は高く評価されています。
プラハで開催されるファーマーズマーケットのなかでも、とくににぎわっているのが、ブルタヴァ川(モルダウ川)沿いのナープラフカのマーケット。毎週土曜日の8時~14時に開催されています。この場所に行くまでの川沿いお散歩では、プラハ城だけでなく、河畔の美しい20世紀初頭の建築群のほか、奇抜なデザインで有名なプラハ名物“ダンシングハウス”も見ることができます。
マーケットではあらゆるチェコの食品が販売されています。人気が高いのは、やはり新鮮な野菜、果物のお店です。採れたて新鮮の食材は、午前中の早い時間に売りきれてしまうほど。長蛇の列に並ぶのは覚悟しなければなりません。珍しいニラやコリアンダーなどの香菜類も販売しているのが嬉しいところ。旬の野菜もきちんと並ぶので、自宅でのお料理の幅がどんどん広がります。きれいにパッケージはされてませんが、その分お値段もリーズナブルで、ほのかに残る土の香りが品質を保証します。
加工食品も多く販売されています。手作りジュース、ジャム、ワイン、パン、ソーセージ、ハム類、酢漬け食品、チーズなどなど……。スーパーでは手に入らないようなものが多く、独自ブランドの商品も手に入ります。
右:スーパーでは手に入らない手作りジャム。
お惣菜類も充実しており、素朴なチェコ料理を味わえます。例えば、鱒。チェコ南部では鱒の養殖が盛んですが、通常プラハのレストランでは新鮮な鱒はなかなか食べられません。マーケットでは生きている鱒を注文と同時に締め、その場で焼いてくれるので、味のよさは文句の付けようがありません。素材の味がたっぷり楽しめるチェコグルメです。
チェコの家庭で親しまれているお菓子、コラーチも食べてみましょう。パン生地の上にカッテージチーズやケシの実、ジャムをのせて焼いた菓子パンで、マーケットの定番おやつ。観光地では売っていない素朴なチェコの味で、チェコでは誰からも愛されているスウィーツです。
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文・撮影=クレメントゆみ子