映画『mentor』で、15年前の花火遊びでアパートを全焼させた過去に囚われず前を向くも、同じ過去を持つ拓海(末澤誠也)と、その火事で大火傷を負い妻子を失いながら、拓海の“メンター”的な存在となる埜本(綾野剛)との歪な再会から人生が翻弄される青年・龍之介を熱演した磯村勇斗さん。

 磯村さんが、自ら企画・プロデュースを手掛ける「しずおか映画祭」への思いや、映画界の“メンター”と仰ぐ役所広司さんから学んだ姿勢について語ってくれました。


地元に恩返しがしたくて

――5月に拓海役の末澤誠也さんとのトークイベントも行われた「しずおか映画祭」についてもお聞きしたいです。自ら企画・プロデュースを手掛ける映画祭をなぜ地元で立ち上げたのでしょうか。

 元々、地元に恩返しがしたいという思いは強くあったのですが「じゃあ自分に何ができるか?」と考えたときに、まずは役者として関われる「映画」という軸から「映画祭」に繋がっていきました。

 ただ、思い立ったときには、“映画館離れ”が加速してしまっていて……。でも、映画館の大きなスクリーンで、一つの映画を誰かと一緒に共有する時間はやはりいいよなと。「映画をみんなで観るのって楽しい」と、少しでも思ってもらえたらこんなに嬉しいことはない、というところから企画が始まりました。

――2024年の沼津市でのプレイベントに続き、2026年5月には静岡市で「第1回」が開催されました。今後は静岡県内を巡回していくそうですね。

 映画祭といえば一箇所で長くやり続けるのが一般的だと思いますが、静岡県は横に長く、東部・中部・西部と分かれているので、「しずおか映画祭」という名前を掲げている以上、どこか一箇所だけでやり続けるのも良くないと思ったんです。

 地域を転々と変えて行う映画祭はあまり聞いたことがないですし、毎年場所を変えた方がそれぞれの地域の色も出ますし、これこそが「しずおか映画祭」の強みであり、面白さになるのではと。毎回来てくださる方もいれば、開催地で暮らす人々が足を運んでくれることもある。それも含めて「お祭り」のような感覚で楽しんでもらえたらいいなと思います。

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