城内部にはミュージアムスペースも

道路を挟んで城の向側には、ザビエルを描いた大きな記念碑がたつ。聖人の右手にある地図には、もちろん日本も含まれている。ちなみにスペインでサン・フランシスコ(聖フランシスコ)といえば、アメリカの都市ではなくて、ザビエルのことを思い浮かべるのがふつうだ。

 生家であるハビエル城は、後にほとんど取り壊されてしまうが、19世紀末、城の継承者であったビヤエルモサ女公爵夫妻がその修復に着手。残っていたがれきをひとつひとつ積み重ねる形で元の姿へと復元された。さらにザビエルの生誕500年を記念して2006年には大幅な改修が敢行され、現在へと至っている。

 城内部のミュージアムスペースに展示されている収蔵品には、日本ゆかりのものも少なくない。交通手段も情報もごくごく限られていた約500年もの昔、この城に生まれたザビエルがはるか遠い日本にキリスト教を伝えたかと思うと感慨深いものがある。

周辺にはナバラ地方らしい緑豊かな田園風景が広がる。

 現在でも日本からはなかなか訪れにくい小村であるが、パンプローナを訪れた際には、ぜひ足を延ばして聖人の偉業に思いを馳せてみてはいかがだろう。

ハビエル城 (Castillo de Javier)
電話番号 +34-948-88-40-24
開館時間(毎日) 10:00~13:30、15:30~18:30(11/1~3/1は17:30閉館)
交通 パンプローナよりバス(1日1便、サングエサ乗換)
URL http://www.santuariodejavier.org/

坪田みゆき(つぼたみゆき)
バルセロナ在住、コーディネイター。大阪外国語大学(現・大阪大学外国語学部)イスパニア語学科卒。在東京スペイン政府観光局勤務などを経て、2004年よりバルセロナ在住。バルセロナ、バレアレス諸島(マヨルカ島他)、バスク地方などを中心に、スペイン全土の取材・撮影コーディネイトの他、通訳・翻訳業務も行っている。http://spainbcn.exblog.jp/

Column

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文・撮影=坪田みゆき