ローマの最旬ハンバーガーショップは
ファストフードにしてスローフード

数々のこだわりから生まれるクオリティーの高いハンバーガー

ビール派が増えている最近のイタリア。グラディウスでも多種の地ビールが楽しめる。

 フランチャイズ展開をはじめた「ランブルゲリア・ディ・イータリー」の店舗数は、現在、イタリア全土で6軒。「手軽に食べる」に「正しく」を加えた「手軽に正しく食べる」のコンセプトが、食の安全に敏感な層を取り込み、急成長しているようだ。食材の仕入れは、選りすぐられた食品のみを扱うマーケット「イータリー」から。ハンバーガーに使われている肉はスローフード協会のお墨付きであるピエモンテ産のもの。扱うビールは地ビールのみ。正午から深夜24時までオープンしているので、ランチタイムを逃しても、クオリティーの高いハンバーガーやサラダがいつでも食べられる。

左：ランチタイムになるとこぢんまりとした店内は地元の客で賑わう。
右：バチカン市国とポポロ広場のちょうど中間点あたりに位置するGLADIVS (グラディウス)。

 いっぽう、バチカン市国近くにオープンした「GLADIVS (グラディウス)」は、ローマでは誰もが知る高級精肉店「フェローチ」の肉をハンバーガーに使用していることがウリだ。深夜までノンストップで営業していること、厳選された多種の地ビールが楽しめるところなどは「ランブルゲリア・ディ・イータリー」と同様だが、お腹の空き具合によってハンバーガーのサイズ (130グラム、170グラム、260グラム、340グラム) を選べるのが嬉しい。サラダ＋ミネラルウォーターのセットで7ユーロから16ユーロ (ハンバーガーのサイズによる)と値段もかなりリーズナブル。手軽さと値段は「ファストフード」でも、口にする食物は「スローフード」。それが、今、ローマで旬とされている「Hamburgheria (アンブルゲリア)」なのである。

文＆写真＝村本幸枝