始まりのお話~情熱の国、イタリアのワインバーにて

 まだまだ寒い日がつづきますが、みなさま風邪などひかれていませんか。

美しい水の都ベネチア

 さて、ある日、今書いておりますこの記事のネタを考えつつ、エノテッカ(ワインバー)でひとりワインを飲んでいました。ちょうど2月ごろにみなさまに届くこの記事、もうすぐバレンタインだけど、チョコレートは去年書いちゃったし、何がいいかなぁ。

 そういう時は周りにインタビュー。同じく立ち飲みでふらっとやって来ていたお客さんたちにきいたところ、「それなら、ベネチアのカサノヴァがいいんじゃない」「そうだ、ちょうどベネチアはカーニバルの時期だし」と提案がありました。

左:ゴンドラとベネチアの街並
右:リアルト橋

 カサノヴァは18世紀ベネチア出身の自由奔放な愛に生きた人物。ええー、何でカサノヴァ? と思わず聞いた私。だってカサノヴァといえば、女性をくどきまくる女ったらしの代名詞、誠実な愛の日であるバレンタインにふさわしくないと反論したのですが、答えはこうでした。

「何を言ってるんだい、お嬢ちゃん。ベネチアのカルネバーレは何のためにあるか知ってるかい? 仮面で身分を隠すことで、純粋に恋を楽しむために開かれたんだよ」

「そうだよ、仕事も年齢も人種も忘れて、ただ人として恋をする。こんなに素敵なことがあるかい?」

 はは、そう言われればそうとも言えますかね。何にせよ、恋や愛に情熱的な国、さすがイタリア。

左:街を走る迷路のように入り組んだ運河をゴンドラでゆっくりとめぐる
右:サンマルコ広場にある時計塔

 「今だって秘密の仮面パーティが開かれてるんだよ」

 「え!?  それどうやったら行けるの? 取材したい」

 と本気で言う私に、

 「はっはっはー、知らないよ。だって俺、ベネチア人じゃないもん」

 って、ほろ酔いのイタリア男たちの言うことは話半分で聞くとして、でもなるほど、興味深い。ベネチア、恋とカーニバル、外出するにも億劫な寒い季節の読み物としてはいいかも。というわけで、ベネチアのカーニバルの歴史を紐解いてみました。

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