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 25歳で俳優デビュー作となった「仮面ライダージオウ」から5年――。比嘉愛未の相手役を務めた「推しの王子様」のほか、「恋はつづくよどこまでも」「やんごとなき一族」など、話題のドラマに出演してきた渡邊圭祐が、予期せぬスカウトからこれまでのキャリアを振り返る。

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●夢を持たない少年が考古学者になりたかった理由

――幼い頃はどんな夢を抱いていたんですか?

 割と現実主義というか、夢を持っていなかったんです。小さい頃からバスケをやっていたり、水泳を習っていたりして、しっかり成績もついてきて、というタイプではあったんですが、自分より巧い人や速い人がたくさんいることも分かってしまって。だから、「僕はプロにはなれないんだろうな」って思っていました。ただ、小6の卒業文集には「考古学者になりたい」と書いてありました。

――なぜ、考古学者だったんですか?

 軽いボケの意味もあるんですが(笑)、僕、影響を受けやすいんです。『ジュラシック・パーク』シリーズを見たのか、『ONE PIECE』にニコ・ロビンが出てきたのか。どちらかのタイミングだと思うんですが、「考古学者って、夢がある職業だなぁ」と思ったんです。その後、中学生のときに服が好きになったのをきっかけに、アパレル系の仕事に就くのもいいかな? と思うようになりました。

●裏方を務めた「ミス・ミスターコンテスト」でスカウト

――その後、地元・仙台の大学に進学されます。

 6歳上の姉と4歳上の兄がいるんですが、僕が高校生のときにはすでに保育士と美容師の道に進んでいたんです。そういう専門職に就いた2人を見ていたこともあり、看護師という将来の道が見え始め、最初は地元の宮城県で看護学の勉強ができる大学を探しました。でも、勉強がなかなか大変だということを知り、普通の四年制の大学に進学することを決めました。その頃は、東京に出る気はまったくなかったです。

――その後、大学2年のとき、学園祭で運営スタッフを務めた際、「ミス・ミスターコンテスト」の審査員にスカウトされます。

 就活に有利になるかと思い、学園祭の運営サークルに入っていたんですが、いつの間にか幹部になってしまって。「ミス・ミスターコンテスト」も照明のヘルプとして入ったんですが、そのときに審査員の方から声をかけられました。例年、出場者から何人かスカウトされて、地元のそのモデル事務所に入ることが恒例になっているんですが、僕はあくまでも運営スタッフなので、お断りしようと思っていたんです。学園祭でお世話になったので、幹部としてご挨拶をしに事務所に行ったはずなのに、契約書にサインしていました(笑)。

2023.01.06(金)
文=くれい響
写真=鈴木七絵