『鎌倉殿の13人』で畠山ロスが続出……中川大志の新たな挑戦

  NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』での畠山重忠役の好演も記憶に新しい中川大志さん。そんな中川さんが「新しい挑戦」として、自身初となる本格的な舞台音楽劇『歌妖曲~中川大志之丞変化~』への出演を決めた。

 明治座・東宝・ヴィレッヂの3社が立ち上げた「三銃士企画」の第2弾となる本作は、ウィリアム・シェイクスピア屈指の人気史劇『リチャード三世』を基に、昭和の歌謡界を描いた物語。

 気になる中川さんの役どころだが、醜い風貌のため一族の汚れとされてきた主人公の“鳴尾 定”を演じる。定は闇医者の施術により絶世の美男子に変身を遂げ“桜木輝彦”という名で歌謡界デビューを果たし、スターダムに駆け上がる一方で、一族への復讐を開始するのだ。

 念願かない、とうとう舞台を踏むことになったと中川さんはインタビューで瞳を輝かせた。稽古が始まる前のまっさらな状態のタイミングで、CREA WEBでは中川さんに、作品にかける意気込みから、これから始まることへの素敵な予感について語ってもらった。

――キャリアは長い中川さんですが、音楽劇『歌妖曲~中川大志之丞変化~』で初の本格的な舞台出演となりました。「念願かない」と記者会見でもお話しされていましたが、ずっと挑戦したいと思っていたんですか?

 10代のときからずっと挑戦してみたいと思っていました。今の年齢でできること、このような機会をいただけたことが、本当にうれしいです。演劇の先輩方からも「やるんだったら早いうちのほうがいいよ」とは昔からよく言われていたので、「ようやくできるんだ!」という気持ちがとにかく大きくて。

――しかも、脚本がNHKのコント番組『LIFE!』でご一緒していた倉持 裕さんで、シェイクスピアの『リチャード三世』がベースとなっているとは、とにかく期待が募ります。

 そうなんですよね。『リチャード三世』がベースということは、一番最初にお話をいただいたときから聞いていたんです。『リチャード三世』自体、かなりハードでディープな作品というイメージなんですけど、そこに今作では昭和の時代、さらに芸能界という舞台なので、どういう風になっていくのか!? 最初は想像がつかないところもありました。

 作品では、芸能界の仕組み、表には見えてこない裏の部分が、復讐劇とともに描かれていきます。華やかな世界に血なまぐささも潜むような脚本で、ものすごくエネルギーを感じました。人間の内面の深い部分がえぐられるような、そんな残酷さも持ち合わせた作品になりそうな気がしています。

2022.10.30(日)
文=赤山恭子
撮影=今井知佑
ヘアメイク=佐鳥麻子(Vitamins)
スタイリスト=高橋 毅