右見て左見たらあっという間! 天海祐希から下の世代へ伝えたいこと

 劇団☆新感線42周年興行・秋公演の「薔薇とサムライ2-海賊女王の帰還-」。天海祐希さんは女海賊・アンヌを演じる。

 CREA WEBでは、天海さんに12年ぶりとなる「薔薇サム」への意気込みやコロナ禍の中での舞台への思い、また「不安に思うことはほぼなくなった」という思考術や、若い世代の人たちに伝えたいことなどをうかがった。

» 【前篇から読む】天海祐希が12年ぶりの海賊女王に! 不安の時代だからこそ「荒唐無稽を楽しんでほしい」

――「CREA WEB」の読者は20代後半~30代の女性が多いのですが、その世代へのアドバイスなどがあれば是非お伺いしたいです。

 女性の20代~40代前半ぐらいまでって「結婚する」「子供を産む」とか色々な選択肢があるじゃない。この時代、結婚して家庭を持ちながらお仕事をして、子育てもするってとても大変なことだと思うから、出産が選択肢として残っている年齢の方たちは悩むこともあるだろうし、それを選んで頑張っている方たちって本当にすごいなと思います。

 ある年齢を超えると、その中から選ばなくていいものが出てくるんですよ。例えば、子供を産んで育てることが難しい年齢になってくると、その選択肢が一つなくなるわけだから、その時の自分に残った道から選んでいけばいい。「これはもう考えなくていい」って取捨選択すると、今の自分にできることしか残っていないから、潔くそこに全力を注ぐ!

――確かに、選択肢が多いだけに「結婚もしたいし、子どもも欲しい。だけど仕事も諦めたくない!」というもどかしさを抱えることもあります。

 でも、欲しいと思うものがあったら悩むよりもガンガン行った方がいいよ! 仕事も結婚も子供も、全部欲しかったら自分から掴んでいかないと誰も代わりにやってくれないもん(笑)。

 自分から動くことはエネルギーもいるけど、そのエネルギーは使ったほうが良いじゃない? 誰かがそのエネルギーを受け取ってどこかに回すから、いい影響の連鎖って必ずあると思ってるんです。

――せっかくの人生ですもんね。

 そう! それに時間って思ったよりも短くて。私も20代の頃はまだずっと先が続くような気がしていたけど、右見て左見たらあっという間に50過ぎる。気をつけて!

2022.09.15(木)
文=根津香菜子
撮影=鈴木七絵
ヘアメイク=林 智子
スタイリスト=えなみ眞理子