グルテンフリー? そんなの気にしなくて大丈夫です

 「やっぱり小麦は避けたほうがいいですよね?」と聞かれることが増えました。

 グルテンがよくない科学的な理由としては、小腸で消化しにくいからといわれていますが、中医学には”グルテンフリー“という言薬は存在しません。“小麦イコール悪者”という考え方もないのです。

 それどころか、小麦は薬膳的には、心を落ちつかせ、水分代謝を改善して渇きを解消しつつ、下痢を鎮める力があるとされています。

 みなさんご存知のとおり、中華料理にも麺類や点心類の皮など小麦を使った食べ物はたくさんあります。ですから、私は過度に怖がる必要はないと考えています。

 小麦を一概に悪者にせず、食べる頻度に気をつけましょう。

 同じものを長く食べ続けることは、偏りを生むのでよくありません。朝も昼もパン、毎日パスタというような食べ方は控えてください。

 グルテンフリーという考え方は欧米から入ってきました。私見ですが、欧米人によい効果が表れた理由としては、あちらは小麦が主食なので、摂りすぎていた人、合わなかった人がその摂取量を減らしたことで、体内のバランスがよくなったのではないかと考えられます。

 主食としてお米を食べている私たちは、小麦を極端に避ける必要はありません。食べすぎないこと、毎日食べ続けないことを意識すれば大丈夫です。

2022.08.29(月)
文=櫻井大典