クルマを走らせ、大分が誇るパワースポットへ。門司では特別な夜を目と舌で満喫

 せっかく九州まで来たのだから、もう少し足を伸ばしてみよう! と二人がクルマを走らせたのは、大分へと続く東九州自動車道。目指すのは、大分屈指のパワースポットといわれている宇佐神宮です。

 大分の人たちに古くから鎮守の神として広く親しまれてきた宇佐神宮は、全国に4万社あまりある八幡様の総本宮。実在したとされる最古の天皇、応神天皇を八幡大神として祭り、日本古来の神道信仰と大陸から伝来した仏教信仰を融合する「神仏習合」発祥の地ともいわれています。

「広々とした境内は本当に空気が清く、歩いているだけで心身が整う感じがしますね」(内藤さん)

 国宝に指定されている本殿は3棟あり、一之御殿には仕事運や金運、二之御殿と三之御殿には縁結びや安産のご利益があるとか。

 他にも、誰にも見られずに参拝すると一生に一度だけ願いが叶うという「願掛け地蔵」や、夫婦円満や縁むすびのご利益があるとされる「夫婦石」など、広い境内には立ち寄りたいところが多々あり、じっくり巡るには時間の余裕がほしいところです。

八幡総本宮 宇佐神宮

所在地 大分県宇佐市南宇佐2859
電話番号 0978-37-0001
開門時間 5:30~19:00(4月~9月)、6:00~19:00(10月~3月) ※正月期間中を除く
http://www.usajinguu.com/lineage/

 宇佐神宮でお参りを済ませ、すぐに門司へと戻ってきた内藤さんと池田さん。どうしても日が暮れるまでに訪れたい場所があったのです。

 それは、門司港レトロ展望室。建築家・黒川紀章氏の設計による高層マンションの最上階に設置されたガラス張りの展望室です。103メートルの高さから、門司港レトロはもちろん、門司と下関を結ぶ関門橋や対岸の下関市の街並みまで、大パノラマが一望できます。

 日中に眺めるまばゆい海景もすばらしいのですが、最高にドラマティックな光景が広がるのはなんといっても夕暮れから夜にかけての時間帯。陽が沈むにつれ、空が赤から紫、そしてブルーへと、グラデーションをたどるように色彩を変えていきます。

 それはまさにマジックアワー。音もなく刻一刻と移り変わっていく美しい夕景に、二人は言葉を失くして見入っていました。

門司港レトロ展望室

所在地 福岡県北九州市門司区東港町1-32
電話番号 093-321-4151(門司港レトロ総合インフォメーション)
営業時間 10:00〜17:00(月~木曜、最終入館16:30)、10:00〜21:00(金・土・日曜、最終入館20:30)
定休日 年4日不定休
料金 大人300円、小中学生150円
https://www.mojiko.info/spot/tenbo.html

 門司港レトロ展望室から眺める空がすっかり闇に包まれ、門司港レトロがイルミネーションに輝き出したら、お待ちかねのディナータイム。今夜のメニューは、北九州の名物、ふぐです。ふぐといえば下関が有名ですが、じつは関門海峡を隔てた門司港エリアにもふぐ料理の名店は多く、老舗料亭だけでなくちょっとカジュアルにふぐを楽しめるお店も揃っているのです。

 二人が選んだのは、門司港レトロの一角にある「海鮮処 廻転寿司 海人」。仲卸直営店が経営する人気店で、鮮度抜群の海の幸を手頃な価格の和食や寿司で味わうことができます。お目当てのふぐも、冬場のみならず一年中楽しめるのは仲卸直営だからこそ。少しふんぱつして、二人はふぐ刺しから唐揚げ、ふぐちりまで8品揃った鍋コースをチョイスしました。

「お刺身は程よく歯応えがあって、お鍋にするとそれがぷりぷりに変わる感じ。おいしいだけじゃなく食感の違いが味わえるなんて、贅沢だし、すごく楽しい」(池田さん)

 内藤さんは料理のお供に北九州の酒蔵・溝上酒造の「天心」をセレクトし、「最高の組み合わせ!」と思わず笑顔に。このマッチングが、ふぐの繊細な味わいをいっそう引き立ててくれたようです。

海鮮処 廻転寿司 海人

所在地 福岡県北九州市門司区港町3-3
電話番号 093-322-5522 ※2階のみ予約可
営業時間 1階廻転寿司11:30~15:00(14:30L.O.)、17:00~21:00(20:45L.O.)、2階海鮮処11:30~15:00(14:00L.O.)、17:00~21:00(20:30L.O.)
定休日 水曜(祝日および祝日前日の場合は営業)
http://www.kaito.ne.jp/kaito-mojikou.html

 大満足のディナーのあとは、今夜宿泊する「プレミアホテル門司港」へ。イタリアを代表する建築家の一人、アルド・ロッシの設計によるデザイナーズホテルです。

 個性的な外観は「門司の鮫」をイメージしているのだとか。シャープながら門司港レトロの風景に違和感なく溶け込み、ランドマークのような存在となっています。

 二人の客室はプレミア海峡デラックスツイン。プレミアフロアの関門海峡に面し、豪華客船の客室を思わせるような上質な空間が広がります。「マリンな雰囲気で、旅気分がいっそう高まるよね」と池田さん。

 関門海峡の夜景を窓の外に見ながら、ゆったりとしたソファでワイングラスを傾けると、盛りだくさんだった今日1日の話に花が咲きました。

プレミアホテル門司港

所在地 福岡県北九州市門司区港町9−11
電話番号 093-321-1111
https://premierhotel-group.com/mojikohotel/

2022.03.25(金)
文=張替裕子(giraffe)
撮影=橋本 篤