一日の終わりは、非日常のバーでお酒を堪能
普段とは違った空間で飲むお酒は、よりおいしく感じるもの。
落ち着いた雰囲気漂う「アクアバー」では、バーテンダーが削った丸氷でウイスキーや、甘酸っぱいオリジナルカクテル「アカクランベリー」など、さまざまなお酒を堪能できる。
洋食レストランは館内着NGだが(日本料理レストランはOK)、バーは館内着での出入りも可能。浴衣の上に羽織やホテルオリジナルの「五泉ニット」を羽織ってバーへ。「五泉ニット」は、よくある温泉旅館の丹前よりも、断然おしゃれである。
館内着で気取らずにお酒を飲む解放感は格別だ。
客室の露天風呂から望む朝日の絶景
客室の露天風呂は、冬でも湯冷めしにくい温もりの湯。それでいて、皮脂汚れを落とす美肌の湯でもあり、肌を存分に潤してくれる温泉だ。
絶景を眺めるかけ流しの温泉とは、なんとも贅沢である。客室の風呂から朝日を眺めるなら、露天風呂付きの客室を予約することをおすすめしたい。
客室のアメニティ(洗顔料や美容液など)は、自然由来の成分を使用した、イギリス製スキンケアブランドのもの。
ハーブエキスやボタニカルオイルといった植物のパワーがやさしく作用し、使い心地は軽やかなのに、しっかりと潤いを実感できる。
翌日の肌のハリ・ツヤがいいのは、上質な温泉とアメニティの相乗効果に違いない。
赤倉観光ホテル
所在地 新潟県妙高市田切216
電話番号 0255-87-2501
料金 1泊2食一人2万9650円~
https://www.akr-hotel.com/
栗を12個分も使った贅沢なモンブランに舌鼓
帰り道に立ち寄ったのは車で約30分の距離にある、長野県・小布施町。
栗鹿ノ子や栗羊羹を販売する「小布施堂本店」の敷地内にある「えんとつ」は、造り酒屋の米蔵を改装したモンブランの専門店。平日でも昼12時の開店と同時に満席になる人気ぶりだ。
ブレンドコーヒーとセットになった「モンブラン朱雀セット」は1,600円(2022年4月1日から2,000円)。モンブランは砂糖控えめで、栗そのものの濃厚な味わいが楽しめる。男性のこぶし大くらいのサイズで、なんと12個分の栗を使っているとか。こんなに贅沢なモンブランはほかにはないのでは。
お昼からこんなに大きなスイーツは食べられないかも……と心配していたけれど、上品な甘さでいつの間にか完食。
小布施町には、江戸の浮世絵師・葛飾北斎が、晩年の80代にこの地を訪れた際に手掛けた作品を展示する「北斎館」や、天井画が残る「岩松院」など見どころがたくさん。ゆっくりと散策したい。
えんとつ
所在地 長野県上高井郡小布施町808
電話番号 026-247-7777
https://obusedo.com/kaiwai/
野添ちかこ(のぞえ・ちかこ)
温泉と宿のライター/旅行作家
「心まであったかくする旅」をテーマに日々奔走中。NIKKEIプラス1(日本経済新聞土曜日版)に「湯の心旅」連載中。著書に『千葉の湯めぐり』(幹書房)。国立公園満喫プロジェクト有識者会議委員(環境省)、岐阜県中部山岳国立公園活性化プロジェクト顧問、熊野古道女子部副部長。
https://zero-tabi.com/
Column
週末に、心が洗われる別世界へ出かけてみるのはいかが。少し車を走らせれば、そこにはおもてなしの心に満ちた極上の宿が待っている。旅行作家の野添ちかこさんが、1泊2日の週末ラグジュアリー旅を体験。その極上体験をレポートします。
文・撮影=野添ちかこ