江戸時代から続く石巻の陶器店。日本全国の作家ものやクラフトが充実
創業は嘉永元年(1848年)と伝えられる、古くから続く陶器店。店名の「観慶丸」は創業者が船頭の職に就いていた際に舵を取った千石船に由来するそうです。昭和5年に木造3階建ての擬洋風の店舗(後述・現在の旧観慶丸商店)を造り、石巻初の百貨店を始めました。
無類の陶器好きだった六代目が、有田や九谷などの焼き物の産地から逸品を取り寄せて、コレクションとして秘蔵していたため、お店の倉庫には今でも優れた古陶器が残されています。その中から時期やテーマに合わせてショップ左奥のスペースに展示販売されているので、希少な掘り出し物に出合えるかもしれません。
現在の観慶丸本店では、陶磁器、ガラス、漆器などはもちろん、アフリカやアジアの手工芸品、衣類、鞄などのほか、生活雑貨なども扱っています。品質とデザイン性に優れた、愛好者も多い野田琺瑯や木村硝子、SOU・SOUやSIWAなどのブランドも多数揃っており、眺めていると時間がたつのもあっという間。荷物が増えるのも忘れてあれもこれも買いに走りそうになります。
観慶丸本店の道を挟んだ向かいには、イベントスペースのカンケイマルラボがあります。日本全国の作家の器やクラフトなどの作品を期間限定で展示し、奥はカフェスペースとなっています。カンケイマルラボはイベント期間中のみの営業なので、ホームページで調べてから訪れてくださいね。
観慶丸本店から歩いてすぐのところにある、3階建ての旧観慶丸商店。木造でありながら、壁は様々な種類のタイルで覆われていて、スペイン瓦や丸窓、アーチ窓を有する外観は港町石巻のシンボル的存在です。現在、1階は文化交流のための貸しスペース、2階は石巻の歴史・文化の展示施設として利用されています。
観慶丸本店、カンケイマルラボ、そして、旧観慶丸商店。10年前の東日本大震災の被害を乗り越えながら現在も復興の途上にある石巻ですが、観慶丸の存在は石巻を旅先に選ぶ理由にもなります。美味しい魚介とセットにして旅のプランを立ててみてはいかが?
観慶丸本店
所在地 宮城県石巻市中央2-8-1
電話番号 0225-22-0151
営業時間 10:00~18:00
定休日 火曜
http://kankeimaru.com/
文=CREA編集部
撮影=嶋﨑征弘