旅の途中で出合うもの。
その土地に縁あるものに限らず、旅を終えてからも手にする度に、その地を思い出して、再び旅心が疼くものです。
仙台の「ギャラリー杜間道」と石巻の「観慶丸本店」に立ち寄れば、いつ訪れても素敵なものとの出合いが約束されています。
せんだいメディアテークの隣に建つアイアン使いも美しいギャラリー
ギャラリー杜間道は2005年にオープン。生まれも育ちも仙台の、店主・みわみちこさんの澄んだ審美眼によって選ばれた工芸品や雑貨が、心地よいディスタンスを保ちながらディスプレイされています。
アイアン使いが秀逸なこの建物は、ギャラリー向かって右に建つ美術や映像文化の活動拠点である公共施設「せんだいメディアテーク」建設時の事務所だった場所。高名な建築家の伊藤豊雄さんらが利用した建物を譲り受け、ギャラリーとしてオープンさせただけあって、随所にあしらわれた鉄が存在感を放っています。
エントランスの右手は常設の家具や雑貨、調理道具、器などが並び、左手はギャラリー。そのときどきの企画展や作家の個展を開催しています。
常設されているのは、現代の暮らしに馴染む工芸品。東北で作られているものにこだわらず、日本全国の優れたアイテムが揃っているものの、やはりここは東北の中心地ともいえる仙台。「東北のセンスやパワー、さらには作り手の心意気が感じられるものを扱っていきたいと思っています」とみわさん。
ギャラリー杜間道にディスプレイされている一部をご紹介しましたが、作家の展示会も折々に開催されて、常設ラインナップも変化していきます。東北の手仕事を中心に優れた作品を手に取れる貴重な空間。仙台を訪れる際には、ぜひ立ち寄ってほしい1軒です。
ギャラリー杜間道
所在地 宮城県仙台市春日町2-8 1F
電話番号 022-224-7066
営業時間 11:30~18:30
定休日 不定休
http://www.tougendo.jp/
文=CREA編集部
撮影=嶋﨑征弘